• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

不況の今こそ、実験の好機!

常識の源流対論・湯浅 譲二 (その1)

2009年6月23日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

湯浅 譲二(ゆあさ・じょうじ)氏
1929年福島県生まれ。作曲家。慶應義塾大学医学部在学中から音楽活動を始め、52年に芸術家グループ「実験工房」に参加、ピアノ曲「二つのパストラール」でデビュー。作曲活動に加え、81~94年まで米カリフォルニア大学サンディエゴ校で教授を務め、現在も日本大学藝術学部で講義を受け持つなど後進を指導している。ベルリン映画音楽祭審査員特別賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、日本芸術院賞・恩賜賞など受賞は多数 (写真:大槻 純一、以下同)

湯浅 譲二 この間テレビで伊東君を見ましたよ(笑)。

伊東(以下――) いやぁ、恥ずかしいです。このところ、音楽以外の露出ばかり増えてしまって。

湯浅 いいんですよ、使えるものは何だって、使えばいいんです。

―― まあ、そうは思うんですが・・・でも、11年前までテレビは制作者側にいましたので仕掛けが分かっていますし、タレントになるつもりは全くないわけで、僕は僕のライフワークを淡々と進めているつもりなんですけれど・・・。

湯浅 それでいいと思いますよ。

――・・・このところ僕にとって課題になってしまっているのは本来の自分の仕事、音楽の聴衆よりも、この「日経ビジネスオンライン」を含めて一般読み物の読者のほうが、よほど多くなってしまっているんです。

湯浅 それだけの反響があるというのは、伊東君にとっても良いことじゃないですか?

―― まあ、一概に悪いとは言えないですが、僕としては30年以上ずっと考え、地味にやってきたこと、音楽家としての本来の仕事があるわけで。それなりにいろいろ生存競争みたいなものもあって、その世界ではつぶれずにやってきた。湯浅先生に最初に、僕が大学時代にやっていたゼミナールに来ていただいたのは1986年ですから、もう23年・・・。

湯浅 もうそんなになりますか、そうですね。

―― 本当に早いものです。で、その間に冷戦が終わってインターネットだIT(情報技術)だということになって、メディアアートなんかは一見派手になったようにも見えるけれど、その実態は実に貧しいものでしかなくて・・・。

湯浅 僕は本当にそれを言いたいと思いますね。

―― ところが、メディアの前面で、そういう声を出せる場がなくなっているわけです。僕の作品を聴いてくださる方があるのは、とてもありがたいことです。でも、もしマーケティングで考えられたら、現代音楽の聴衆は本当に数が知れています。これが同じ僕でもベートーベンとかバルトークとか古典を演奏すれば、クラシックファンというのはもう1ケタくらい増えるでしょう。でもそれだって、クラシックは徹底してマイナーで、ポップスの比ではありません。

 それらと比べて、40歳を過ぎてから、考えがあって書き始めた読み物の方が、はるかに社会的反響は大きいわけですね。この日経ビジネスオンラインも毎日、数百万人のアクセスがあって、毎週僕が書くものも何十万という人が目にして、厳しいコメントを返してもらえることも多くて。もう3年目に入りましたが、とてもいい経験というか、勉強にもなっているわけです。

湯浅 それは全くそうでしょう。

―― ところが、そういう<公衆とのやり取り>みたいなものが、シリアスミュージックというか、芸術音楽というか、僕らの元来のフィールドでは加速度的に減ってきている。大学などで教えていても、学生の意識なんか全然違ってきているわけです。そこで、自分の原点に帰るような決意も含めて、このメディア上で湯浅さんにお話をお伺いして、音楽という根を深堀りしながら、科学技術と人間、社会や経済に通底する本質的な問題を、芸術音楽家という本来の立場から、広く世に問いたいと思ったわけです。

「実験の場」だったコマーシャル

―― 僕らが子供の頃は、テレビを通じて芸術音楽の作家が手がけたポップな仕事を頻繁に耳にしていました。NHKの大河ドラマの音楽とか、「おかあさんといっしょ」「みんなのうた」みたいな番組でも。僕にとって最初の湯浅作品は、物心つく前から好きになった新幹線の歌とか「インディアンがとおる」とか「はっぱがわらった」とか・・・。

コメント2件コメント/レビュー

>湯浅 いっぱいお金を使えば使うほどいい、大掛かりにテクノロジーを駆使すればするほどいい、というような形で作品を作り上げることができたわけで、それの頂点が万博だったんです。 そう、あのころ山本直純も「大きいことは いいことだ」と申しておりました。森永エールチョコレートのCMで。//(2009/06/23)

「伊東 乾の「常識の源流探訪」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>湯浅 いっぱいお金を使えば使うほどいい、大掛かりにテクノロジーを駆使すればするほどいい、というような形で作品を作り上げることができたわけで、それの頂点が万博だったんです。 そう、あのころ山本直純も「大きいことは いいことだ」と申しておりました。森永エールチョコレートのCMで。//(2009/06/23)

久しぶりに拝見しましたが、相変わらず上から目線ですねえ。伊東先生のブレない姿勢はすばらしいと思いますが、日本ほど大衆が知識人を信用していない国はないのですし、徒労に終わるのも致し方ないことかと思いますよ。(2009/06/23)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授