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会社の履歴書【3】東芝

西田厚聰 3兆円投資の勝算 1

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2009年6月24日(水)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

東芝

 日立製作所と並ぶ日本の総合電機の雄、東芝。同社のここ20年は、事業の「選択と集中」に注力した歴史だった。その最終章を飾ったのが2006年に発表された原子力発電大手の米ウェスティングハウスの買収。54億ドルの巨費を投じたこの買収は東芝にとって、次の20年で収益を確保する戦略的投資。CO2削減が世界的に喫緊の課題となる中で、原子力発電需要が大幅に高まるとにらんでのものだった。ただし2009年3月期には、半導体事業の大幅赤字で、自己資本比率が8%台まで低下、5000億円規模の増資に追い込まれた。新たな「選択と集中」戦略が注目される。

* * *

2006年6月19日号より

1兆円を超える半導体への投資計画、三菱重工業との一騎打ちに約6000億円をつぎ込んだ米ウエスチングハウスの買収劇。
無謀にも見える西田厚聰・東芝社長の成長戦略に果たして勝算はあるのか。
大胆に即決していくという外部からの印象とは裏腹に、実は様々な情報を分析し、綿密にリスクを評価したうえで決断、実行する細心さも併せ持っている。
グローバルで寡占化が進む中、リスクを取らないことが最大のリスクになると、攻めの経営に舵を切った東芝。3年間で3兆円に及ぶ投資計画の成算を探った。

(西頭 恒明、上原 太郎、大豆生田 崇志、山崎 良兵)

東芝の賭け
リスク取らぬは最大のリスク

 2006年度からの3年間で設備投資に2兆400億円、研究開発費に1兆2600億円、合わせて3兆3000億円を成長のために投じる」

 東芝が2006年5月に開いた中期経営計画の説明会。社長の西田厚聰(あつとし)(62歳)は、集まった300人を超える記者やアナリストを前に、“攻めの経営”を力強くアピールした。

 社長就任から1年。「成長路線に転じる」という公約通り、西田は矢継ぎ早に積極策を打ち出している。

 2006年2月、総額54億ドル(約6000億円)で米原子力発電機器大手のウエスチングハウス(WH)買収を決めた数日後には、半導体事業で残り2カ月以内に 630億円の追加投資を行うことを公表。さらに、中期経営計画では総投資額の半分に当たる1兆200億円を半導体事業につぎ込むと明言した。

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