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会社の履歴書【3】東芝

西田厚聰 3兆円投資の勝算 4

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2009年6月29日(月)

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 バブル崩壊後、日本企業は好むと好まざるとにかかわらず、大きな「変革」を余儀なくされた。金融部門の痛みは、日本企業の成長を支えた間接金融の縮小、株式の持ち合いの解消を迫り、急速に進展したグローバル化は終身雇用、年功序列の終焉をもたらした。その中で問われたのは企業の変革能力である。劇的に変化する外部環境にどう対応し、組織をどう変えていくのか。それに成功した企業もあれば、依然として対応し切れない企業もある。企業が「失われた15年」をどう生きたのか。1991年以降、「日経ビジネス」で取り上げた日本の代表的な企業の記事を「会社の履歴書」として取り上げる。
(文中の肩書き、名称などは掲載当時のままです)

東芝

 日立製作所と並ぶ日本の総合電機の雄、東芝。同社のここ20年は、事業の「選択と集中」に注力した歴史だった。その最終章を飾ったのが2006年に発表された原子力発電大手の米ウェスティングハウスの買収。54億ドルの巨費を投じたこの買収は東芝にとって、次の20年で収益を確保する戦略的投資。CO2削減が世界的に喫緊の課題となる中で、原子力発電需要が大幅に高まるとにらんでのものだった。ただし2009年3月期には、半導体事業の大幅赤字で、自己資本比率が8%台まで低下、5000億円規模の増資に追い込まれた。新たな「選択と集中」戦略が注目される。

* * *

2006年6月19日号より

1兆円を超える半導体への投資計画、三菱重工業との一騎打ちに約6000億円をつぎ込んだ米ウエスチングハウスの買収劇。
無謀にも見える西田厚聰・東芝社長の成長戦略に果たして勝算はあるのか。
大胆に即決していくという外部からの印象とは裏腹に、実は様々な情報を分析し、綿密にリスクを評価したうえで決断、実行する細心さも併せ持っている。
グローバルで寡占化が進む中、リスクを取らないことが最大のリスクになると、攻めの経営に舵を切った東芝。3年間で3兆円に及ぶ投資計画の成算を探った。

(西頭 恒明、上原 太郎、大豆生田 崇志、山崎 良兵)

「失われた10年」は繰り返さない

財務力は回復してきたが、インテルやサムスンなど海外大手にはまだ見劣りする。今期の業績予想は分かれても、市場は「攻めの姿勢」への期待で一致している。成長への方向性を示せなかった過去10年の遅れを取り戻そうと、動きを加速する。

 半導体部門を切り離し、独立会社にする――。巨額の最終赤字に転落した2001年頃、東芝の社内で密かにこんな検討がなされていたことは、あまり知られていない。

幻となった半導体独立計画

 当時、時価総額が1兆円を割り込み、東芝はEVA(経済付加価値)を自社流にアレンジしたTVCという指標に基づいて事業の見直しを進めていた。その手法で計算すると、半導体事業だけの市場価値は2兆円以上。家電や重電など、多様な事業を抱えるため、東芝全体では時価総額が抑えられてしまう、「コングロマリットディスカウント」の存在が改めて浮き彫りになった。笠貞純副社長は「半導体の連中は分社したがっていた」と明かす。

 時価総額が低ければ、利益率は高くても資金調達力や成長期待で劣ってしまう。独立を求めた半導体部門に、そうした危機感があったのは想像に難くない。だが、この構想が実際に取締役会で俎上に載せられることはなかった。代わりに事業売却や人員削減などを実施して、1998年3月期に6兆円を超えていた総資産を2004年3月期には約4兆4600億円まで圧縮した。

 東芝は10年ほど前から、世界のエクセレントカンパニーになるためとして、「ROE(自己資本利益率)10%以上、D/Eレシオ(有利子負債自己資本比率)100%以下」という目標を掲げてきた。2006年3月期、資本の効率性を示すROEは8.6%まで改善。長期の支払い能力、つまり財務の健全性を示すD/Eレシオも、ピーク時の290%(2002年度)から、92%にまで下がった。ようやく目標の1つを達成した。

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