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割高でも客の絶えない農産物直売所

独自の価格決定ルールが引き出す高品質が呼び水に

  • 上田 隆穂,中野目 純一

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2009年7月6日(月)

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 全国で約1万3000カ所あると言われる農産物直売所。その中で異例の価格設定方法を採用して売り上げを伸ばし、全国の農業関係者の注目を集めている直売所がある。茨城県つくば市にある「みずほの村市場」だ。

茨城県つくば市にある農産物直売所「みずほの村市場」の店内。平日の日中も客がひっきりなしに訪れる
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 この直売所で販売されている旬の野菜を中心とした農産物の価格は、近隣のスーパーなどに比べて2~3割ほど高い。それでも、年間延べ25万人以上の来店客が、ここで農産物を買っていく。利用者は茨城県に住む人ばかりではない。東京都や千葉県などから訪れる人も少なくないという。

売上高は17年で6倍に増加

 1990年の発足以来、売上高はほぼ右肩上がりに増加。2008年7月期は5億9000万円に達した。これは、初年度の1991年7月期(1億円)の約6倍に相当する。

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 価格が高いにもかかわらず、これだけの利用客を集めて売り上げを伸ばすことができているのはなぜか。その理由は、大きく2つある。

 1つは、価格を高めに設定していること自体にある。値崩れを起こすことなく高い価格を維持できているから、利用客の伸びに応じて売り上げを増やすことが可能なのだ。

 理由のもう1つは、「ここでしか買えない」と利用客が思うほど品質の良い農産物を取り揃えていることだ。だから、価格が多少高くても、質の良い製品やサービスに購買意欲を示す「品質フォーカス層」の消費者が購入してくれる。

 高い価格の維持と品質の良い農産物の供給──。この2つを両立させているのが、みずほの村市場を運営する農業法人のみずほが設けた独自のルールだ。

独自の参入ルールで値崩れを防ぐ

 そのルールとは、「後から参入する農家は、先に参入していた農家と同じか、それ以上の価格をつけなければならない」というものだ。

 例えば、ダイコンを最初の参入者が1キログラム100円で売っていたとしよう。次に参入する人は100円以上の価格を、3番目の参入者は2番目の人以上の価格をつけなければならない。

 このルールによって、後から参入する農家が先発組に安売りで対抗するのを防いでいるわけだ。

 先行して参入した農家と同じか、それ以上の価格で自分の農産物を売るには、味で勝負するしかない。後から参入する農家は肥料を工夫するなどして、農産物の品質を高めようと努力する。

 一方、先発組も品質改良に努めなければ、後発組に押されて売り上げを落とすことになる。こうして、みずほの村市場で農産物を販売している農家は、農産物の品質向上を競い合う。

 農家の品質面での競争を促す仕組みは、もう1つある。それはノルマ制度だ。

コメント1件コメント/レビュー

「経営は回転」と言いますが、農作物直売所ビジネスの大きな特徴の一つは、「自己資本回転率」の高さだと思います。 スーパーに比べて遥かに資本金が少ない農作物直売所において、その身軽さを生かして回転率を上げ、棚卸資産を増やさない画期的な方法として今後も注目しています。(2009/07/06)

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「経営は回転」と言いますが、農作物直売所ビジネスの大きな特徴の一つは、「自己資本回転率」の高さだと思います。 スーパーに比べて遥かに資本金が少ない農作物直売所において、その身軽さを生かして回転率を上げ、棚卸資産を増やさない画期的な方法として今後も注目しています。(2009/07/06)

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