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まねしていいですよ。我々は先を行くから~エフピコの快走は止まらない

2009年7月9日(木)

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 食品トレー最大手、エフピコの快走が止まらない。2009年3月期の売上高は前期比2%増の1282億円。経常利益は44%増の92億円を記録した。2010年3月期には売上高1330億円、経常利益は大台の108億円を見込む。産業界に吹きつける猛烈な逆風。だが、エフピコは増収増益を実現している。

 扱っている商品はスーパーなどでよく見かける地味な食品トレーだ。一般的なトレー1つの金額は3~4円程度。どこにでもありそうな差別化が難しい商品に見える。それでも、なかなかどうして高い競争力を誇っている。なぜ強いのか――。同社の小松安弘会長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。

(聞き手は日経ビジネス オンライン、篠原匡)


 ―― 業績悪化に直面している企業が続出していますが、その中にあって、エフピコの好調さは異彩を放っています。この逆風下で高収益を実現している要因はどこにあるのでしょうか。

増収増益を実現したエフピコの小松安弘会長兼CEO (写真:村田 和聡、以下同) 
画像のクリックで拡大表示

 小松 直接的な理由を言えば、原油高に伴う商品値上げの効果ですね。ご存じの通り、昨年まで原料代は毎年のように上昇してきました。ただ、業界ではウチだけだと思うけど、原料代が上昇した分の値上げを100%取引先に認めてもらいました。下がったものは全部下げますから、上がった分は認めてください、とスーパーを説得したんだな。その値上げの効果ですね。

 最近は逆に原油代が落ち着いているでしょう。だから、6月から第2次値下げを始めました。まあ、値上げの稟議を通してもらうのは大変でしたよ。ウチの取引先はイトーヨーカ堂やイオンなど売上高が数兆円規模の会社もありますし、5000億円ぐらいの売上高を誇る地方の雄もいる。そこを説得するのは簡単ではなかった。でも、トータルでは我々の方が割安で高品質なものを作っていますからね。だから値上げを認めてくれたんでしょう。

 ―― 生産性の向上や技術革新も好業績の要因では。

 小松 そうだね。1つはトレーの軽量化だね。ここにあるトレー、仕切りのない一般的な汎用トレーですが、20年以上前には1つ5グラムでした。それが、4グラム、3.8グラム、3.4グラムときて、今は3.2グラムまでの軽量化が実現しました。その分の原料費が確実に減っている。

 かといって、強度は変わっていない。あまり軽量化しすぎると、柔らかくなってしまってレジの人たちが使いにくくなってしまう。それを防ぐために、トレーの底に薄いフィルムが上と下に2枚、敷いてあるんですよ。このフィルム、普通は20ミクロンほどですが、我々は今、15ミクロンのフィルムを・・・。まあいっか。

「エコは儲かる」

 ―― 内緒の話だったんですか。

 小松 まあいいですよ。そんなの嘘だろう。そんな薄いのはできないだろう、とみんな思うんじゃないかな。とにかく、細かくは説明しませんが、我々の特許技術。この2枚のフィルムのおかげで、3.2グラムまで軽くしても十分な強度が生まれているわけですね。

 それと、生産スピードが上がっていることも大きい。これまでは1メートルの長さのトレーを作るのに4秒ほどかかっていた。それが最近導入した最先端の機械だと3秒とかからない。それで、電力も30%ほど削減できる。こういった機械はすべて内製している。

 薄くなることによって電力も要らなくなり、生産スピードも上がった。この革新も大きいよ。ここ数年、原料高で厳しい状況にありましたが、今は何もかもが競争力になっている感じがする。この業界、似たようなものを作る会社は多いけど、我々のような技術開発はできていない。もう、この業界の人たちはウチについてこれないよ。

 ―― すごい自信ですね。

 小松 後は「エコトレー」の存在も大きい。ウチは今、回収したトレーを再利用したエコトレーの比率が拡大している。エコトレーというのは、回収トレーを3割、工場の端材を7割使ったリサイクルトレーのこと。衛生面を考慮して表面にはバージンのフィルムを張っていますが、それを除けば100%のリサイクルが実現しています。

 当社の売上高1330億円(2010年3月期見込み)のうち、仕入れ商品を除いた純粋な製造による売上高は1000億円ほど。エコトレーはそのうちの140億円を占めるまでに成長しました。これが収益に貢献してきた。本当にエコトレーは大きいよ。
 
 ―― 「エコ」と聞くと、あまり儲かりそうな気がしませんが、実際のところはどうなんでしょう。

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「まねしていいですよ。我々は先を行くから~エフピコの快走は止まらない」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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