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衆議院は何のためにあるか?

――二院制と二大政党制のそもそもの意味

2009年7月21日(火)

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 報道によれば、この記事が公開される2009年7月21日、午後1時からの衆院本会議で衆院を解散する見通しとのことです。解散後の臨時閣議で8月18日公示-30日投開票、と選挙日程を決定するようです。全くの偶然ながら、どうもこのところ、こういうことが火曜日にぶつかることが多いですね。

 さてこれで、久しく続いた「ねじれ国会」の状態が、今回の選挙で解消される見込みが高いというのが、もっぱらの下馬評です。それにしても「二院制」というのはいったい何のためにあるのでしょうか? 前回の参議院選挙以降、日本では「ねじれ」状態のために、国政を動かさない、というのが、我が国における「二院制」が果たしてきた役割のようにも見えます。また実際、戦後久しく「参議院無用論」なども論じられてきました。

 今回の衆議院選挙は、グローバルな政治経済の観点では、2008年に終焉した「冷戦後」構造以降の時代、とりわけサブプライム破綻以降、アメリカが唯一超大国としての役割を終えてから先の新しい時代の幕開けとなる総選挙であることは間違いありません。巷間言われるように「自民党政権」から「民主党政権」への政権交代が行われるなら、なるほど確かに時代が変わったようにも見えるでしょう。

 しかし本当に「変化=チェンジ」は起きるのでしょうか? もっと言うなら望ましい方向に日本の舵取りを改善していく動きが、総選挙後に見え始めるようになるのでしょうか?

 そういう観点から今回は、「いったい衆議院というのは何のために存在しているのか?」という問題を考えてみたいと思います。

かつては貴族院だった参議院

 多くの読者は「何を愚問を!」と言われるかもしれません。国民主権の日本国憲法を頂く我が国は、主権者国民の意思、民意を反映するために選挙で代議士を選ぶのは当たり前だろう・・・いや、確かにその通りです。でもそういう方には逆にお尋ねしたい。同じ選挙でも「参議院」ではなく「衆議院」が果たす役割って何なのでしょう?

 日本で二院制の問題を考えるうえでは、戦前から戦後への変化を考えれば分かりやすいでしょう。1945年まで、大日本帝国憲法の下での日本の二院制は「衆議院」と「貴族院」からなっていました。衆議院は(普通選挙法施行以降は)一定の制限はあるものの、原則として通常の民主主義的な選挙が行われていました。これに対して貴族院は非公選で解散はなく、皇族議員、華族議員、それに天皇が親任する「勅撰議員」が議事を進めていました。

 「参議院」の元来の姿は、決して民意を反映するための議院ではなく、とりわけ「勅任議員」を考える時、主権者である天皇が親任して、自他共に認める見識ある人材を登用して立法府に意見を反映させるシステムだったわけです。だから小学校の教科書などで政治経済の記載を見ると「参議院に関しては学識経験者などから選ばれる」と書かれていたりするわけですね。

 しかし、もし文字通りに取って、この表記を意地悪くひっくり返すなら「参議院は学識経験者」「衆議院は学識などなくてもいい人」から選ばれる議会ということになってしまいます。本当はおかしいですね。まあ最近は、衆議院議員が宰相になると、まともに漢字も読めなかったりして、本当に末期の症状を呈しているので、「衆愚選挙」的な傾向は本当になってしまっていますが、本来の「衆議院」のあり方はもっと違うものであったはずです。もう一度、一歩下がって戦前のレベルで考えましょう。

 例えば戦前の貴族院議員には「天皇機関説」で知られた美濃部達吉・東京大学法学部名誉教授などがいました。もっとも美濃部教授は、この「天皇機関説」によって貴族院を追われることになるのですが。

 美濃部さんの例は非常に端的でしょう。貴族院というのは天皇が親任して、国家の大勢が異論なく学識経験者と認める人の見識を、国民の入れ札とは無関係に立法府に導入することで、下手をすると人気取りの選挙で立法府の能力水準が著しく低下することを避け、確かな体制「保守」「高水準での安定化」を図ろうとするものでした。

 そういう意味では、人気取りの選挙で立法府の能力水準が著しく低下、というより、ほぼゼロの状態になったのが、2007年の参議院選挙以降の日本の議会制民主主義だったと言えるかもしれません。ここではちょっと意地が悪いですが、擬会制民主主義とでも呼んでおきましょうか。

二院制と二大政党制の源流

 さてしかし、この二院制というもの、あるいはそれと深く関係を持つ「二大政党制」というシステムはどこから出てきたのでしょうか?

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