「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」

第3回 スッキリして迷わなくなりますよ、社長

社長が解決すべき5つの問題(2)

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2009年7月21日(火)

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 前回から、「社長の話をわかりやすくする」ために社長が解決すべき5つの問題について、順にご説明しています。今回は、5つの問題のうちの(2)理念の優先順位が明らかでない・・・【優先順位】についてです。

 1.「前回までの内容はだいたい覚えている」と言う方は、このまま読み進めてください。
 2.「このコラムを初めて読む」または「前回までの内容を忘れてしまった」方は、こちらの記事一覧からご覧ください。

 問題の(1)【整理】と(2)【優先順位】が解決すれば、社長はかなり「スッキリして」「迷わなくなる」のではないかと思います。実際、私が企業理念コンサルタントとしてご支援してきた多くの社長がそうでした。

 実際にあったある社長のお話をしましょう。

社長がスッキリして、迷わなくなったB社

 B社は老舗の食品メーカー。3代目となる社長は、入社後現場から始めて、要職の階段を上りながら先代である父親を支え、2年前に社長に就任しました。そろそろ先代も口を出さなくなってきたので、自分としてのカラーを打ち出したいと考えていました。

 初めてお会いした時、彼は私にこう言いました。「先代の方針で共感できる部分もあるのですが、全く違うなと感じている部分もあって、自分の思いもまだぼんやりしているのですよ」。

 社長へのインタビューを重ね、先代にもお話を伺いながら、両者の思いや考え方の共通点と違いを整理していきました。同時に整理した項目間の優先順位を確認していきます。「こうだ、いややっぱり違うな」。行きつ戻りつ、次第に企業理念の【整理】と【優先順位】づけが進んでいきます。

 ようやく定まったと確信した時、私は『会社として最も大切にしていきたいこと』を企業理念としてまとめたものを、社長にご報告しました。しかし彼の反応はいま一つです。

 「ここには私がはっきりと認識していなかったことも含まれてはいますが、全部私が考えてきたことばかりですよね。新しいものは何もないですよね」

 社長はびっくりするような、新しい考え方が出てくるのではないかと期待していたようです。私の事前説明が足りなかったと反省しました。

 私が【整理】し、【優先順位】づけをしようとしていたことは、その人の思いや考え方の根本。時代の変化の影響を受けることも少しはあるでしょうが、ほとんど変わることのない部分です。多くはこれまでの人生ですでに形作られているものであると考えます。

 だから大抵の場合、“びっくりするような新しい考え方”が出てくることはありません。これまで意識してきた、あるいは薄々気がついていた思いや考え方が白日のもとにさらされ、整理され、優先順位づけられるだけです。

 3カ月くらいたった頃でしょうか。B社の社長に久しぶりにお会いしました。社長は私を捕まえてこう言いました。

 「まとめてもらったもの、すごくいいですよ。社員にいろいろと質問されても答えがすべてここに書いてあるし、自分の本当の思いや考え方が書いてあるから、すっと答えられる。ここには私の基本的な思いや考え方が全部書かれていたのですね。とてもスッキリしたし、迷わなくなりましたよ」

 企業理念を【整理】し、【優先順位】づけすることのメリットを、ようやくわかっていただけたようです。

 社長がスッキリして迷わなくなれば、社長の話はスッキリとわかりやすくなり、社員もスッキリと迷わなくなるはずです。同じ理念のもとに集まった社長、幹部、社員が、それぞれのポジションで気持ちよく働けるようになっていくのです。

 さて、そのためには、今回取り上げる「社長が解決すべき5つの問題」のうちの(2)【優先順位】を解決しなければなりません。

 昨今、企業理念をホームページの冒頭に掲げる会社が増えてきたと感じますが、この【優先順位】については、まだまだ明確にできていない会社が多いように感じます。

 企業理念でよくあるパターンをご紹介しましょう。

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著者プロフィール

武田 斉紀(たけだ・よしのり)
企業理念コンサルタント
ブライトサイド コーポレーション代表取締役社長

武田 斉紀1986年東京大学卒、同年リクルート入社。人事部を経てHR事業部へ。大手から中小まであらゆる規模、あらゆる業種の企業を対象に、採用・組織作りやブランド構築を支援する。全社表彰、MVPほか各賞を受賞。その後マーケティングの新規事業立ち上げに参画、軌道に乗せて2002年に退職。期間限定でベンチャーの立ち上げに参画した後、2003年9月に企業理念の共有浸透を専門とするコンサルティング会社、ブライトサイド コーポレーション(正式名称ブライトサイド株式会社)を設立、現在に至る。
日本一のコピーライター集団「TCC(東京コピーライターズクラブ)」会員。
著書『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(PHP研究所)、『新スペシャリストになろう!』(PHP研究所、海外でも発売)、『行きたくなる会社のつくり方』(Nanaブックス)。
全国で講演多数/一般企業、経営者交流会、官公庁、都道府県などの自治体、学校。
ホームページ:http://www.brightside.co.jp/
■過去のコラム
「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」
「武田斉紀の「企業理念は会社のマニフェスト」」
「武田斉紀の「よく生きるために働く」」
「武田斉紀の「行きたくなる会社のつくり方」」



このコラムについて

社長の話がわかりやすい会社は伸びる

 なぜ「社長の話はわかりにくい」のでしょうか。
 会社において、社長の思いや会社の方針を幹部や社員に伝えるのは、社長の仕事です。しかし、社長の話はまだ、幹部や社員に届いていないのではないでしょうか。
 社長が企業理念に絞ってわかりやすく話し、共有していくことは、全員のハッピーにつながります。このコラムでは、「社長の話がよくわかるようになる」ために、社長は、あるいや幹部や社員は、何をすればよいかについて、より具体的にお話ししていきます。

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