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【第10話】情熱の火を燃やせ!

2009年7月22日(水)

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「能力5倍、情熱100倍」

 もう数年前のことですが、事業再生で業績を挙げている、ある日本人経営者のお話を聴く機会がありました。その中で印象に残ったのが、「能力5倍、情熱100倍」という言葉。優れた人材(人財)とはどんな人材かというお題に対して、その成功社長は端的にこう表現されたのです。

 「能力(スキル)の差に関して言えば、トップの人とボトムの人との間にはせいぜい5倍くらいの開きしかない。しかし、情熱の差は人によって100倍もの開きが出てくる。大きな違いは、能力(スキル)ではなくて情熱にこそあるのだ」――先の社長の言葉の大意は、およそこのようなものです。実績を挙げておられる現役社長の言だけに、ズシリとした重みを感じます。

 前回のコラムでは、リーダーの最重要要素の1つである「決断力・断行力」についてお話ししました。今回のテーマとして取り上げたいのは、こちらも前回と同様、いやそれ以上にリーダーの大切な資質である「情熱」です。

ビジネスパーソンを「情熱」で5つに分類

 世のビジネスパーソンを「情熱」という切り口で眺めていくと、大きく5つのタイプに分けることができます。まずは、その5分類をご紹介しましょう。

■自燃型人間
 1番目は、自ら正しい方向(大義)に向かって事を起こすという意欲や気概に満ちあふれ、誰の指図を受けなくても、何かを「成し遂げてやるぞ!」と自らメラメラと情熱の火を燃やしている人。英語では“go-getter”とか“self-starter”などと言われます。私は「自燃型人間」と呼んでいます。

 これまでに幾多の組織を観察し、数社の企業を自ら経営してきた感覚から言うと、会社にはこの自燃型人間が5~10%くらい存在します。

■可燃型人間
 2番目のタイプは、自ら燃えることはないが、誰かが傍に来てマッチを擦ってくれれば燃える、という人です。これは「可燃型人間」です。ざっくり言って、ビジネスパーソンの80%以上、ということは圧倒的多数の人がこのタイプに属しています。

■不燃型人間
 次は、「自ら燃えることもないし、たとえ誰かがマッチを擦ってくれたとしても金輪際燃えない」という人。ズバリ「不燃型人間」です。

 不燃型人間は、さらに2つのタイプに分けることができます。1つは「生まれてこのかた1回も燃えたことがないし、これから死ぬまで絶対に燃えない」という、いわば確信犯的な不燃型。もう1つは、「若いころは燃えていたけれど、燃えて燃えて燃え尽きてしまって、もう残っているのは灰だけ」という、“燃え尽き症候群”の不燃型です。

 残念ですが、組織の中にはこういったタイプの人も一部には見受けられます。割合としては2~3%といったところでしょうか。

■消火型人間
 「自燃型、可燃型、不燃型。情熱の持ち方によって、ビジネスマンはこの3種類に分けられる」――。ジョンソン・エンド・ジョンソンの社長を務めていた頃、私はある日の役員会でこのように自説を述べました。

 すると、出席していた役員の1人が手を挙げて「社長、もう1種類います」と言いました。曰く、「せっかく点いた人の火を消して回る人がいます」。

 ミーティングでの活発な議論の末、「よし、みんなでガンバロウ!」と盛り上がったところに、「どうせウチの会社じゃムリだよ」と水を差す人。仕事上のミスから必死にリカバリーショットを打とうとしている後輩に対して「無駄な努力はよせ」と冷たい言葉を投げかける人…。

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