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「育てる政治家」を選出しよう!

――ポリティシャンは要らない。ステイツマンを求める

2009年8月6日(木)

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 全く偶然の成り行きによって、広島原爆の日に公開されるこの記事を広島で書いています。先週から今週にかけて、私の本業である音楽の仕事で長崎市、五島列島、平戸市から生月島まで、カトリック教会建築の音響やカクレキリシタンの賛美歌(「おらしょ」)のフィールドワークに出ていました。長崎から広島のエリザベト音楽大学に音楽の用件で移動したのですが、結果的にヒロシマ・ナガサキとハシゴすることになりました。

夜の原爆ドーム。小雨模様に「黒い雨」を思う
長崎原爆で首が飛んでしまった聖像。後ろに見えるのは再建された現・浦上天主堂。思いがけず2つの爆心地をハシゴした

 せっかく来た広島なので、仕事が終わってから夜の原爆ドームを見に行きました。午後7時を回ってそろそろ暮れかかり、雨もパラパラ降ってきます。井伏鱒二の小説にも描かれた通り、あの日は「黒い雨」が降ったと言います。64年は短い歳月ではありませんが、でも、こういう記憶を風化させてはいけないと、物理を学んだ1人として思います。

 今回も本題は選挙の話題なのですが、「原爆の日」に相応しい形で、お話してみたいと思っています。

学級会レベル以下の政治を憂う

 前々々回前回と、選挙を迎えるに当たって誰もが意識しておいてよい(と私が考える)「常識」の「源流」をたどってみたわけですが、実は煎じ詰めると、小学生程度の内容しかないことを、賢明な読者の皆さんは既にお気づきかと思います。

 つまり、

1 前々々回
 「実現可能な政策を掲げる人だけ考慮の対象にしよう」という主張

2 前回
 「議員自らが政治的に判断を下せる人だけ考慮の対象にしよう」という主張

 どちらも具体的な政策内容には一切踏み込んでいないわけです。しかし悲しいかな、今の日本はコレを書かねばならない政治状況にあるように思います。

 実際、小学校の学級会風に言い換えてみるなら

1 自分が本当にできることを言おうね
2 ちゃんと自分で考えて結論を出そうね

というレベル、逆から言うなら

1 先生、イトー君はできもしないことばっか言って人の気を惹いて結局ウソをつくんです
2 先生、イトー君は人の顔色ばっかり見て、自分では何にも考えないで「意見だ」って言うんですよ

という情けない水準が、実は今の日本で危ういということを考えたかったわけです。

 ではこれらがクリアできたとしましょう。つまり「実現可能で」「自分で判断した」政策であれば何でもいいのか? そんなことはあり得ません。ナチス・ドイツのホロコーストも、米軍が下した原爆投下命令も、ともに「実現可能」で、指導者が判断を下して実行されたものですが、私は(誰がなんと言おうと)双方とも人類に対する犯罪として、永遠に記憶にとどめる必要があると考えています。

 さて2009年8月の日本の選挙で、いったいどういう内容の政策を掲げる人に投票すればよいのでしょうか。その具体的な内容に向けて、今回から一歩ずつ踏み込んでみたいと思います。

バラマキとして見るサブプライム

 以前、寺島実郎さんと話していて「ウォールストリートの懲りない面々」の開き直りというトピックになり、サブプライム商品を仕組んだ連中が「仮に短期間だけでも、低所得層に<マイホーム>の夢を見せてやったんだから、感謝されていい」といった発言をする「金融危機A級戦犯」の米国投資家の談話の紹介がありました。

 トンでもない話だと思いますが、でもただ単に「けしからん」と見るだけでは、対岸の火事を見て自分の母屋の状況を理解しないことになってしまいます。

 この話を寺島さんとしながら、思い出したのは、私が子供時代の東京都の「革新都政」、とりわけ、のちに「バラマキ都政」と批判された諸政策のことです。

 リーマン破綻などの後の観点に立って「サブプライムは悪」というのは簡単です。でも2001年とか2002年とかには「低所得層にも夢のマイホームを持てるチャンスを作りましょう」というのは明らかに美談として通用し得る話だった。

コメント19件コメント/レビュー

いつもは希望の灯火込みですが、今日のコラムは絶望感が伝わってきます。マスコミは判断力を失って久しく、でもテレビ画面を通して見るものを現実と錯覚し、テレビ画面を模倣する人が後を絶たない。現実が実在しないので、育ち/育てようもなく、もうフィードバックが効きようのないところまで来たのかも。(2009/08/09)

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いつもは希望の灯火込みですが、今日のコラムは絶望感が伝わってきます。マスコミは判断力を失って久しく、でもテレビ画面を通して見るものを現実と錯覚し、テレビ画面を模倣する人が後を絶たない。現実が実在しないので、育ち/育てようもなく、もうフィードバックが効きようのないところまで来たのかも。(2009/08/09)

学級会に見立てるなら多少無理があるが、学級委員・・・国会議員担任の先生・・・行政官庁職員会議・・・国連校長先生・・・アメリカ合衆国でしょうか。せめてPTAの役員・・・国会議員であってほしい。(2009/08/07)

仰ることには同意ですが、他の方が書かれているように、現状にはそぐわないと思います。それに対して警鐘を鳴らしているのでしょうが。■仰ることはマニュフェストだけ、ポスターだけ、パンフレットだけでは判断できません。何が必要か?公開討論が一番でしょう。■私の市では市長選挙の際に、候補者を一堂に集めて公開討論をしたようです。仕事で行けませんでしたが。沢山の人が参加したようでして、その結果、当初劣勢が伝えられていた現職の再選となりました。■国政選挙でも候補者の公開討論はできないもんですかね。ついでに地域住民に生放送(無編集)でケーブルテレビ等で配信し、また、その模様を録画したDVDや発言を逐一記録した議事録を無償配布するなど。ネットの活用もある意味必要でしょう。■そうでもしない限り判断などできませんよ、普通の一般市民は。現状で先生の言うことを判断材料にでき得る人というのは、候補者と接する機会があるごく一部の限られた人のみです。幸い、私は自民民主両候補者と接することができる立場にありますが。■あと比例の投票基準が抜けています。どうすればいいと思いますか。そもそも比例など必要はない…とは私も思いますが、それでは現実逃避の絵空事となってしまいますので。 dsnk(2009/08/07)

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