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朱を動かすには赤くなれ!

新浪剛史・ローソン社長兼CEO、三木谷浩史・楽天会長兼社長

  • 田嶋 雅美

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2009年8月19日(水)

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 はじめに

 私は、チェーンビジネス中心の女性経営コンサルタントである。戦略コンサルと現場密着コンサルを心がけており、経営者と一緒に企業改革に取り組むことが多い。仕事を通じて感心させられるのが、優れた経営者のリーダーシップだ。

 「リーダー論」や「リーダーシップ手法」について、MBA(経営学修士)プログラムが日本でも普及し、基本理論は整理され、流行りの手法も随時、クローズアップされた記事を見かける。だが、コンサルの現場にいて、「くぅ~、しびれる!」と私が感じる瞬間は、意外にも、それらと真逆なこともよくあるのだ。どんな成功者にもある「悩み」や「苦しみ」。その中からほとばしる真実の瞬間には、理論を越えた美学が必ず存在する。

 最近、元気がない、迷いが生じているビジネスリーダーたちを見かけることが多い。そこで、「こんな時代だからこそ伝えたい」、私が感じる、魅力的な経営者たちのエピソードを、私の勝手な目線で書いてみたいと思ったのだ。しかも、好き勝手な言い分にしたいので、ビジネス記事ではなく、エッセイとして書く!(うふふ)。なので、読者の皆様も、ターゲットとして狙われた経営者様も、たとえ、私の偏った独特な視点であっても、お目こぼしいただければ幸甚である。

 「新浪さんが社長として乗り込んでいって、改革するくらいじゃないとローソンは変わりませんよ」

 私は、2001年7月、200人近い聴講者のいるパネルディスカッションの壇上で、当時、三菱商事でローソンへの投資責任者だった新浪剛史さんに、いい加減なコメントを言い放った。

 新浪さんにしてみれば、投資ファンドのパートナーである弊社の依頼なので無理して出講したのに、「なんて言い草だろう」と思ったかもしれない(その節はすみません・・・)。

得体の知れない迫力に期待

 しかし、傍目からは、そのくらい当時のローソンはじめとする多くの流通企業は病んでいるように見えた。伊丹十三監督作品「スーパーの女」では、内部不正が横行し、善意の社員も「どうせ会社は変わらない」と覇気がなく組織に従事する姿が描かれたが、不振が続く流通企業は、多かれ少なかれ、同様の問題を抱えている。

新浪剛史 ローソン社長
(写真:清水 盟貴)

 長い間に培われて組織に根付いてしまった「習性」というのは、一番、厄介な代物だ。たとえ、その問題が明らかになったとしても、改革するのは容易ではない。新浪さんがその時のパネルで答えたように、「主役は現ローソンの経営陣。三菱商事は商社なのでサポートに徹し、自らは経営に踏み込むつもりはありません」というスタンスでは、抜本的な改革には至らない。

 三菱商事という黒船到来は、ローソンにとって生まれ変わる千載一遇のチャンスで、私には、むしろ、期待感が大きかったのである。

 ファンドでご一緒した三菱商事マンは、商売の即効性では伊藤忠商事マンにやや劣るものの(度々、ご無礼申し上げます・・・)、少し青臭い正論を掲げて威風堂々と長期スパンで事業を育てるイデオロギーがはっきりとしていた。財閥企業としての品格を感じさせる冷静でポーカーフェイスな頭脳集団だった。ボスである新浪さんは、さらに、上行く鉄仮面ぶりで、どこか得体のしれない迫力が備わっていた。「習性を脱皮」させる大仕事も、新浪さんなら風穴を開けられるような気がした。

 パネルでは否定されたが、それから1年も経たぬうちに、電撃的に新浪さんはローソン社長に就任した。「パネルの時には、既に社長就任は決まっていたかもしれないなぁ」とぼんやりと思いつつ、何はともあれ、「お。これで、ローソンは面白くなるぞー!」と、とてもわくわくした。形骸化した企業体質を大改革する一歩が踏み出されたのである。

 ローソンは、巨大市場を築き上げたコンビニエンス業界のトップグループである。最先端の分析ツールと分析手法、完成度の高いマニュアルや教育システム、すべてが多大な投資をかけ最高レベルで揃っている。

 だが、完成度が高ければ高いほど、勝ち組期間が長ければ長いほど、既存の仕組みや成功体験が形骸化された常識としてはびこる。延長線上の発想や手法に偏る、失敗を恐れて革新を嫌がる、過去の努力や成果を既存権益とするなど、「大企業病」にかかりやすいとも言える。

 新浪さんは、改革者として王道のやり方で、それらを「ぶっ壊す」ことから始めた。気合十分、最初から最速ギアをいれ、豪快にぶっとばしていた。

 改革の2本柱は、マーケティングと組織改革である。マーケティングでは、「ローソンは、はたして顧客を満足させる商品を提供しているのか」。小売の命である商品(品揃え)を見直すことを大テーマに掲げた。

 標準化の権化のコンビニエンス業態で、それは今の時代、競争原理の中で優位性があるのだろうか? 全国統一は正しく地域色をいれた個店カスタマイズは必要ないのか? そもそも基礎となる個店情報分析のクオリティーは足りているのだろうか? 時代に応じて劇的に進化しているのだろうか?

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