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ウォルマートの“見えない”強さ

欠品を「前向きに」許容する戦略があるか

  • 大矢 昌浩

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2009年8月18日(火)

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 米ウォルマート・ストアーズは、総従業員数約210万人、売上高約40兆円を誇る世界最大の企業だ。日本の西友も含め、世界16カ国に約8000店の総合スーパーマーケットやディスカウントストアを展開している。

 日本の流通業界では、その店舗を訪問する米国視察ツアーが頻繁に実施されている。しかし、いくら注意深く見学しても、欠品したまま空いた棚がやけに目につくだけで、何が凄いのかさっぱり分からない。むしろ日本人の目には、品揃えは単調で貧弱にさえ見える。

 日本では店頭在庫の補充を怠らず、常にびっしりと棚に商品を陳列しておくことが当たり前とされている。欠品すれば売上機会を逃してしまう恐れがあり、売り場の見栄えも良くないからだ。

粗利が低くても儲かる秘密

 顧客対応や店内の掃除も、日本は行き届いている。店員たちの丁寧な仕事ぶりはウォルマートよりもはるかに上で、世界屈指のレベルにあると言えるだろう。

 ところが儲かっていない。勝ち組とされるセブン&アイ・ホールディングスやイオンでさえ、総合スーパー事業の営業利益率は赤字スレスレで、しかも収益性は長期にわたって低下傾向にある。海外進出もほとんどできていない。

 ウォルマートはハイピッチの成長を続けながら、5~6%の営業利益率をずっと維持している。昨年度の営業キャッシュフローは2兆円を超えた。国際事業比率は24.6%に達し、米国以外でも今や年間10兆円弱を売り上げている。

 安売りを武器にするウォルマートの粗利率は、日本の主要な総合スーパーと比較して5ポイント近く低い。それでも販管費率が10ポイント程度低いので利益が残る。目には見えないロジスティクスの仕組みが儲けを生み出す源泉となっている。

 ウォルマートの店舗で欠品が目立つのも、それが経営管理のずさんさを表しているとは限らない。利益を得るために、わざと欠品させている可能性がある。

 欠品率と在庫量は基本的にはトレードオフの関係にある。品切れを絶対に許さないという方針を立てれば、安全在庫の水準は幾何級数的に跳ね上がってしまう。それを管理するには、在庫を保有するコストと欠品による売上機会損失を天秤にかけて、どこまで欠品を許容するか、あらかじめ経営判断しておく必要がある。許容欠品率と呼ぶ。

 ところが日本の小売業の多くが、許容欠品率を定めていない。わずかでも欠品すれば責任を問われるため、現場の担当者としては多めに在庫を抱えるしかない。ただし、売れ残る心配がある。店舗のスペースも限られている。

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