(前回「新時代を『アイ・シー・ユー 』で乗り切ろう」から読む)
――前回、「ルック・アット・ミー」から少しでも抜け出そう、というお話が出ましたが、実は、若い世代にも「ルック・アット・ミー」はすごく蔓延しているんです。それはまた20世紀の高度成長期を背景にしたものではなくて、21世紀的な状況の中で、自分が不当に低く評価されてしまう恐怖が神経症的にあるんです。

(株)マチュアライフ研究所 代表取締役社長
ビジネス書作家/ビジネスセミナー主宰
1994年立教大学経済学部経済学科卒業。都市銀行、専業主婦、百貨店販売、証券会社などを経て起業。企業向けの人材教育、販売コンサルティングの受託のほか、『女のたしなみ経済塾』『女のたしなみリーダー塾』などの経済・ビジネスセミナーを主宰。主な著書に『あなたを変える稼ぎ力養成講座 決算書読みこなし編
「渋井真帆の公式サイト 〜仕事も経済も楽しくなる! 自分の成長が嬉しくなる!!〜」
渋井 ああ、それはあります。
清野 「自己PRのための自己PR」ではなく、「自己防衛のための自己PR」という感じですか。
渋井 そうですね。
清野 言ってみれば「ルック・アット・ミー」がネガティブ化しているんですね。
渋井 たとえば上司が部下に仕事を振ると、「それは僕の時間をどれくらいロスさせますか。そして、僕の人事評価にはどれくらいゲインを与えますか」というような反応が返ってくる、という話をよく聞きます。
清野 いや、そう言われても困っちゃう。仕事なんだからやれよ、が通じないのですか?
渋井 それは今、大問題です。すごい大問題です。
清野 えーっ。でも、言われてみれば、そういう態度の人、けっこういるかも。
「評価シート」が「ルック・アット・ミー」を叩き込む
渋井 人事評価シートが導入されたりした影響なんかも大きいはずです。
たとえば、ある会社では、こんなシートで人事評価を行っています。「実績」「成果」「貢献」などという5つの項目があり、それぞれについて社員が、自己評価を書き込む。それに対して経営者サイドの評価委員会があなたはS、あなたはA、とランクをつけて、地位と給料を割り振っていくという。
清野 こういうのが新手の経営テクノロジーとして流通するようになったんですね。経営者サイドの論理はさておいて、こういうシートが用意された時、被雇用者として自分が記入する場合、すごく大げさに書くと思う。結婚披露宴の経歴紹介みたいに。
渋井 どんな小さくかかわったことでも、全部、私が貢献しました、という書き方になっていきますよね。「ルック・アット・ミー」を増幅する仕組みを組み込むようなものです。
清野 国連にいるアメリカ人みたいになっちゃう。
渋井 清野さん、また偏見を。でも、確かにリーダー研修をやるときに、今の若い子たちが「ルック・アット・ミー」になっているって、一番の悩みなんです。
清野 それ、どうしたらいいんですか。
渋井 どうしたらいいか、とすごく聞かれるんですけど、この悩みはまずリーダー自身が、仕事の意義を語れないと解決できないんですよ。そのためには、人生の幸せって仕事抜きでは語れない、ということを、ちゃんと言葉にして持たないとだめです。
清野 渋井さんは、それを言語化しているの?
渋井 はい。そんなはずはない、と言われたら、論理的に打破できる。
清野 そのロジックをひとつ、教えていただけますでしょうか。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




