第2回から前回(第6回)まで、「社長の話をわかりやすくする」ために、発信側である社長が解決すべき5つの問題について、ご説明してきました。本日のテーマは、発信側ではなく受信側の『幹部や社員が知るべき、社長の3つの側面』。3回にわたってお話ししていきます。
「社長の話をわかりやすくする」ために、発信側である社長が変わることは必要条件ですが、受信側である幹部や社員のみなさんが、この『社長の3つの側面』を知り、スキルを身につけることで、もっと「社長の話をわかりやすくする」ことができます。
それは会社のためではありません。一人ひとりの仕事のステージを充実させること、また、どこで働くうえでも生かせる“経営的視点”を身につけることにつながるのです。
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社長の話がわかりにくい原因はお互いにあるのですが、話の中身や表現などを除いたところで、決定的な原因となっていることがあります。それが、社長と、それ以外のすべての社内の人々との距離です。
私はよく、「社長と副社長の間は、副社長と新入社員よりも距離がある」という話をします。
これは、一度でも社長を経験したことのある人【ただし最終意思決定権を持ち、1人でも従業員を抱えたことのある社長経験者】なら、一瞬で理解できます。恐らくこの言葉を聞いた時点で、苦笑いをされているのではないでしょうか。
一方でそれ以外の読者の方には、ピンとこないのではないかと思います。そこで私が何度も経験した、象徴的な会話からご紹介しましょう。
ナンバー1になって初めてわかる社長のポジション
先日、あるクライアントの社長と二人で打ち合わせた後、軽く飲みに行こうと誘われました。
彼は大学を卒業後、大手企業にしばらく勤めてから父親の会社に入社。現場を経験しながら昇りつめ、5年くらい前からナンバー2の専務として、社長である父親を支えてきました。そして昨年、父親から歴史ある会社のバトンを渡され社長に就任していました。
私は彼に「○○さんは社長になられて半年ですが、一番変わったことは何ですか」と質問してみました。
彼は即答しました。「ポジションですかね」
「専務時代の私の役割は、社長の方針を具体的に実行することでしたが、自分としては結局俺が全部やっている、俺が社長みたいなものだと思い込んでいたのです。ところがいざ社長になってみると、それはただの思い込みだったとわかりました(笑)。社長とナンバー2である専務のポジションがこんなに違うとは、社長になって初めて実感しましたよ」
私は同じような感想を、何人もの社長から聞いてきました。そこで、社長に就任されてしばらくたってお会いする際には、次の質問をしてみることにしています。
「ナンバー1になってみて、ナンバー1とナンバー2はえらく違うと思いませんでしたか。ナンバー1とナンバー2の間は、ナンバー2と新入社員よりも距離があるでしょう」
すると社長は、ナンバー2時代を照れくさそうに思い出しながら、何度も深くうなずくのです。
「社長と副社長の間は、副社長と新入社員よりも距離がある」という“社長の本音”は、これまであまり公に語られていなかったように思います。
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1986年東京大学卒、同年リクルート入社。人事部を経てHR事業部へ。大手から中小まであらゆる規模、あらゆる業種の企業を対象に、採用・組織作りやブランド構築を支援する。全社表彰、MVPほか各賞を受賞。その後マーケティングの新規事業立ち上げに参画、軌道に乗せて2002年に退職。期間限定でベンチャーの立ち上げに参画した後、2003年9月に企業理念の共有浸透を専門とするコンサルティング会社、ブライトサイド コーポレーション(正式名称ブライトサイド株式会社)を設立、現在に至る。







