「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」

第7回 社長と副社長の間は、副社長と新入社員よりも距離がある

幹部や社員が知るべき、社長の3つの側面(1)

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2009年8月24日(月)

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 第2回から前回(第6回)まで、「社長の話をわかりやすくする」ために、発信側である社長が解決すべき5つの問題について、ご説明してきました。本日のテーマは、発信側ではなく受信側の『幹部や社員が知るべき、社長の3つの側面』。3回にわたってお話ししていきます。

 「社長の話をわかりやすくする」ために、発信側である社長が変わることは必要条件ですが、受信側である幹部や社員のみなさんが、この『社長の3つの側面』を知り、スキルを身につけることで、もっと「社長の話をわかりやすくする」ことができます。

 それは会社のためではありません。一人ひとりの仕事のステージを充実させること、また、どこで働くうえでも生かせる“経営的視点”を身につけることにつながるのです。

1.「前回までの内容はだいたい覚えている」という方は、このまま読み進めてください。
2.「このコラムを初めて読む」または「前回までの内容を忘れてしまった」方は、こちらの記事一覧からご覧ください。1コラム当たり5〜10分程度でお読みいただけます。

 社長の話がわかりにくい原因はお互いにあるのですが、話の中身や表現などを除いたところで、決定的な原因となっていることがあります。それが、社長と、それ以外のすべての社内の人々との距離です。

 私はよく、「社長と副社長の間は、副社長と新入社員よりも距離がある」という話をします。

 これは、一度でも社長を経験したことのある人【ただし最終意思決定権を持ち、1人でも従業員を抱えたことのある社長経験者】なら、一瞬で理解できます。恐らくこの言葉を聞いた時点で、苦笑いをされているのではないでしょうか。

 一方でそれ以外の読者の方には、ピンとこないのではないかと思います。そこで私が何度も経験した、象徴的な会話からご紹介しましょう。

ナンバー1になって初めてわかる社長のポジション

 先日、あるクライアントの社長と二人で打ち合わせた後、軽く飲みに行こうと誘われました。

 彼は大学を卒業後、大手企業にしばらく勤めてから父親の会社に入社。現場を経験しながら昇りつめ、5年くらい前からナンバー2の専務として、社長である父親を支えてきました。そして昨年、父親から歴史ある会社のバトンを渡され社長に就任していました。

 私は彼に「○○さんは社長になられて半年ですが、一番変わったことは何ですか」と質問してみました。

 彼は即答しました。「ポジションですかね」

 「専務時代の私の役割は、社長の方針を具体的に実行することでしたが、自分としては結局俺が全部やっている、俺が社長みたいなものだと思い込んでいたのです。ところがいざ社長になってみると、それはただの思い込みだったとわかりました(笑)。社長とナンバー2である専務のポジションがこんなに違うとは、社長になって初めて実感しましたよ」

 私は同じような感想を、何人もの社長から聞いてきました。そこで、社長に就任されてしばらくたってお会いする際には、次の質問をしてみることにしています。

 「ナンバー1になってみて、ナンバー1とナンバー2はえらく違うと思いませんでしたか。ナンバー1とナンバー2の間は、ナンバー2と新入社員よりも距離があるでしょう」

 すると社長は、ナンバー2時代を照れくさそうに思い出しながら、何度も深くうなずくのです。

 「社長と副社長の間は、副社長と新入社員よりも距離がある」という“社長の本音”は、これまであまり公に語られていなかったように思います。

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著者プロフィール

武田 斉紀(たけだ・よしのり)
企業理念コンサルタント
ブライトサイド コーポレーション代表取締役社長

武田 斉紀1986年東京大学卒、同年リクルート入社。人事部を経てHR事業部へ。大手から中小まであらゆる規模、あらゆる業種の企業を対象に、採用・組織作りやブランド構築を支援する。全社表彰、MVPほか各賞を受賞。その後マーケティングの新規事業立ち上げに参画、軌道に乗せて2002年に退職。期間限定でベンチャーの立ち上げに参画した後、2003年9月に企業理念の共有浸透を専門とするコンサルティング会社、ブライトサイド コーポレーション(正式名称ブライトサイド株式会社)を設立、現在に至る。
日本一のコピーライター集団「TCC(東京コピーライターズクラブ)」会員。
著書『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(PHP研究所)、『新スペシャリストになろう!』(PHP研究所、海外でも発売)、『行きたくなる会社のつくり方』(Nanaブックス)。
全国で講演多数/一般企業、経営者交流会、官公庁、都道府県などの自治体、学校。
ホームページ:http://www.brightside.co.jp/
■過去のコラム
「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」
「武田斉紀の「企業理念は会社のマニフェスト」」
「武田斉紀の「よく生きるために働く」」
「武田斉紀の「行きたくなる会社のつくり方」」



このコラムについて

社長の話がわかりやすい会社は伸びる

 なぜ「社長の話はわかりにくい」のでしょうか。
 会社において、社長の思いや会社の方針を幹部や社員に伝えるのは、社長の仕事です。しかし、社長の話はまだ、幹部や社員に届いていないのではないでしょうか。
 社長が企業理念に絞ってわかりやすく話し、共有していくことは、全員のハッピーにつながります。このコラムでは、「社長の話がよくわかるようになる」ために、社長は、あるいや幹部や社員は、何をすればよいかについて、より具体的にお話ししていきます。

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