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ATMの現金を「欠品」させない
コンビニ全店設置の決断で躍進

セブン銀行

  • 川又 英紀

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2009年8月26日(水)

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セブン銀行のATM(現金自動預け払い機)が全国に約1万3000台まで拡大した。
創業から7年でセブン-イレブン・ジャパン全店に設置が完了したことになる。
5年で累損を一掃し、ATMに絞る特異なビジネスモデルで2008年2月末には株式上場。
小売りのノウハウと先端のIT(情報技術)を生かし、金融業界の常識を変える。(敬称略)

<日経情報ストラテジー 2008年4月号掲載>

プロジェクトの概要

 2001年5月に64台のATMから始まったセブン銀行は創業7年目の2007年度、セブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の全店に、約1万3000台のATM設置を完了した。野村證券の店舗にもATMを設置するなど運営業務の受託にも積極的だ。同社のATMと全国の提携金融機関を独自のネットワークで結び、ATMの利用手数料だけで経常収益(売上高)の約97%を稼ぎ出すビジネスモデルに対し、開業当初は金融業界などから「必ず失敗する」との否定的な声が上がった。だが3年目には金融庁から課せられた単年度黒字を計画通りに達成。5年目には累積損失も一掃し、経営を軌道に乗せた。今やATM1台当たりの1日の平均利用件数は100件を超える。融資業務には目もくれず、「ATMを極める」ことに集中した経営判断と金融業界の常識を覆す小売りのノウハウが世界に例のない「コンビニATM銀行」を作り上げた。

画像のクリックで拡大表示

 まずは上の写真を見てほしい。ここは都内にあるセブン銀行のコールセンターだ。部屋の数カ所に置かれた大型ディスプレーには、全国に約1万3000台設置されたATMの中で、現金カセットの補充・回収が実施されている最中のATMや、システム障害で利用停止中のATMが発生時刻順に一覧表示されている。トラブルが長引くATMは色つきで区別され、ここさえ見ていれば、全ATMの「今の状況」が一目で分かるようになっている。

 セブン銀行にとって、遠隔でのATM監視は経営の生命線といえる。多くのセブン-イレブンにはATMが1台しかなく、その場に銀行員もいない。店内唯一のATMが止まれば、店舗でのサービスは完全に停止する。だからATMは止められない。こうした切迫した環境がセブン銀行やアウトソーシング先のパートナー企業に知恵を絞らせ、「世界一止まらない」と評されるATMを作り上げた。

 開業から7年でセブン銀行のATMは日本の社会インフラになりつつある。そこにはセブン-イレブンが30年以上かけて培ったコンビニの単品管理や物流、情報システムのノウハウが散りばめられている。ATM内の現金もコンビニの「商品」の1つと考えればこそ、セブン-イレブンの強みを生かせる。

 セブン-イレブン全店に設置したATMは店舗の営業時間と同じく、24時間365日稼働していることが売り物だ。提携金融機関は2007年末で554社にのぼり、今や主要な金融機関のキャッシュカードやクレジットカードが使える。自分のカードをセブン銀行のATMに差し込めば、ATMは自分が口座を持つ金融機関のATMに早変わり。近所や出先のセブン-イレブンにお金を下ろしに来た顧客は、自分の預金をいつでも引き出せると考えている。財布に手持ちの現金が無くなり、慌ててセブン-イレブンに駆け込んでくる顧客も少なくない。

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