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社長の偽善、社員の諦念

「これがサラリーマンの生きる道」なんておかしい

2009年8月27日(木)

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 若いころに尖っていた人が、すっかり角が取れて人間が丸くなることがある。

 学生時代の友人A男もそうだった。久し振りに会った彼の変わりようは、「何か辛いことでもあったの?」と、こちらが心配するほど、“自己主張”が影を潜め、妙にオトナになっていたのだ。

 「サラリーマンで生きていくには、尖ってばかりもいられないのよ。それがサラリーマンの生きる道」などと、ちゃらけたのだった。

 以前、「出る杭は打たれる」について「『有能な部下はいらない!』上司の嫉妬と出世欲」で書いたが、「出る杭」とは、何も能力だけではないのか? 周りと違う意見、周りと違う考え方、周りと違う仕事の仕方、そんな“異分子”はすべて、「出る杭」として打たれてしまうのが、サラリーマンの世界なのか? 
 そんな疑問を感じた、彼との再会だった。

 なにも、丸くなることが悪い、と言っているのではない。誰だって、齢を重ねれば程度の差こそあれ、丸くなる。自分一人で意気がることの無意味さや、世の中には自分一人だけではどうにもならないことがあるのを知り、「尖る=自分の意見を通すことではない」ということを学んでいく。だが、A男のそれは、ちょっと違ったのだ。

 「大企業なら、きっと意見しても、それをくみ上げる仕組みがあるんだろうが、中小はダメだって。特にオーナー企業は難しい。なんやかんやいっても社長の会社だしね。要は、社長の望みをそのまま遂行するヤツだけが認められる。僕はイエスマンになりたいとは思わない。その代わり、もう無駄な意見もしない。自分には関係ないって思ったほうがいいんだよ。最近は、戦うエネルギー自体がなくなっている。そんなに丸くなったかなあ。まあ、丸いほうがいいでしょ、きっとね」
 A男はそう言ったのだ。

「どうせ俺が口を挟んだところで、何も変わりはしない」

 確かにイエスマンだけが残っているオーナー企業は、数知れず見たことがある。でも、「無駄な意見はしない」「自分には関係ない」だなんて、A男だけの特別なケースなのか? 

 いや、そうではないだろう。

 「どうせ俺が口を挟んだところで、何も変わりはしない。だから意見することも、反論することも絶対しない」。“関係ない”などと言うのは明らかにポーズで、無理やり「俺には関係ない」と意識の外に置こうとする時に、つい吐いてしまう一言だ。

 サラリーマンって、そんなに尖っちゃいけないんだろうか?

 サラリーマンって、周り(特に上司)の空気を読むことが大切なのか?

 A男の変わりように、心を揺さぶられた。そこで今回は、サラリーマン社会に蔓延する「悪性」について、考えてみようと思う。

 そもそも人間には、「周囲から反感を買いながらでも自分のやりたいことを貫き通して生きる」個人志向性と、「周囲との関係の中に自分らしさ」を求めようとする社会志向性の2軸がある。

 一般に、男性は個人志向性が強く、女性は社会志向性が強い。たとえば、バリバリと仕事をしていた女性が結婚と同時に、あとくされなく退職し、家庭に入ることがあるが、その行動様式は社会志向性の強さからくるものだと、理解されている。

 だが、個人志向性と社会志向性はそれぞれ独立した感覚ではない。自分と社会との関係性をうまく確立し、自分らしい生き方したいという欲求は、年齢とともに高まってくる。

コメント11件コメント/レビュー

A氏の状況説明から感じた問題点を提示している前半部と、その問題点を分析し改善策を提案している後半部の関係性が希薄。なぜなら、提示されている改善策がA氏の状況に何ももたらさないことが明白だから。筆者が「魚~」を語りたいのなら、導入部のエピソードを変更すべき。A氏の現状では改善策は無い、恙無く定年を迎え、それまでに会社が傾かないことを祈るのみ。提示されている状況ではA氏には何も過失は無く、他者に非難される筋合いは無い。立派である。(2009/08/29)

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「社長の偽善、社員の諦念」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

A氏の状況説明から感じた問題点を提示している前半部と、その問題点を分析し改善策を提案している後半部の関係性が希薄。なぜなら、提示されている改善策がA氏の状況に何ももたらさないことが明白だから。筆者が「魚~」を語りたいのなら、導入部のエピソードを変更すべき。A氏の現状では改善策は無い、恙無く定年を迎え、それまでに会社が傾かないことを祈るのみ。提示されている状況ではA氏には何も過失は無く、他者に非難される筋合いは無い。立派である。(2009/08/29)

いわゆる目安箱ですが、テーマを絞ることで誹謗中傷の類を減らせ、効率が向上するであろうシステムとしては非常に良いと思います。ただ、何を言われても受け止められる度量が導入には必要ですね。例えば経費削減がテーマのときに、『役員報酬をもっと下げるべきだ』とか『役員車を使わないようにするべきだ』とか言われて実行するだけの気概があればいいとは思うんですが、なかなかいませんね。 dsnk(2009/08/28)

A氏のスタンス、非常に良く理解できます。ワンマンな運営がなされている場合、これは本当にどうしようもないのです。部長になっても、平社員と同じことです。私は現在50代ですが、転職なんてそんなに簡単にできることではないです。「転職すれば」とか「下から声を上げれば」とか言われると、「そういう組織に属さなかった人は気楽でいいねえ」と思います。A氏が諦観の境地に至ったのは、50代まで頑張って部長にまでなった挙句、それでも自分の非力を痛感させられてことです。人事権、財務権を抑えられたら、その組織に働く者は根本の部分で壁にぶち当たります。自分が部長になれば何とかできるかもしれないと、尖ったり妥協したり30年ちかく努力してきても、非力を痛感させられるのです。それまでの努力やストレスや会社の実態を知ろうともせず、A氏を非難し、前向きに善処せよと仰るのは、読んでいてやりきれませんでした。(2009/08/27)

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