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再浮上する電機物流の“リストラ”

日立グループ再編が引き金となるか

  • 大矢 昌浩

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2009年9月1日(火)

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 日立製作所はこれまで、子会社が上場した後も過半の株式を保有し続けることをグループ経営の原則としてきた。しかし今後は経営資源を特定分野に集中し、そこから外れる子会社は事業構造改革によって「遠ざける」(川村隆会長兼社長)という。

 7月28日には、日立プラントテクノロジーや日立情報システムズなど上場子会社5社を株式公開買い付けで完全子会社化することを発表した。これを皮切りに1000社にも上るグループ会社を7つのカンパニーに再編し、連結経営の強化に動く。

 このグループ再編で、日立物流は、7つのカンパニーに所属しない「その他事業」の1つとして位置付けられている。現在、日立物流の株式の53.19%は製作所が握っている。時価換算で700億円強。持ち株をまとめて売却すれば、恐らく1000億円以上の資金が製作所に転がり込む。財務体質の改善を急務とする同社にとっては魅力的だ。

 日立物流にとっても悪い話ではない。親会社の資本系列から離れることで家電・重電物流における横展開が可能になる。日立グループ向けの既存インフラに、ほかの競合メーカーの物流を乗せる共同物流事業の道が拓ける。

メーカー別の物流子会社という不合理

 電機業界には現在、日立のほか、パナソニック、ソニー、東芝、三菱電機、三洋電機、富士電機、NECの8社が、それぞれ従業員1000人規模の物流子会社を傘下に抱え、自社専用の物流インフラを運営している。

 その業務内容や納品先は、ほとんど重なっている。これを電機メーカーが共同で利用する業界の物流プラットフォームに統合すれば、コスト効率は飛躍的に向上する。各社バラバラの納品が一本化されるので、荷受け側の負担も減る。

 既に電子部品業界ではアルプス電気系のアルプス物流が、物流プラットフォーム事業の成功によって株式公開にまでこぎ着けている。現在、同社は日本国内に2000社近くあるとされる電子部品ベンダーの約8割と取引を持ち、各ベンダーの製品を親会社の製品と一緒に組み立てメーカーの工場に納品している。

 同様に全国の音楽CD販売店に商材を納品する物流は、ソニー・ミュージックエンターテイメント系のジャレードと日本ビクター系の日本レコードセンターの2社が独占している。ほかにもキユーピーの子会社のキユーソー流通システムなど、親会社用の物流インフラをベースとした物流プラットフォーム事業の成功例はいくつもある。

 しかし、電機業界ではこれまで、メーカー別・縦割りの非効率なインフラがずっと温存されてきた。メーカー同士の過剰なライバル意識と、リストラへの強い抵抗感が改革の妨げとなってきた。

 親会社がグループ外の物流プラットフォームを利用すれば、既存の物流子会社は仕事を失い、存続できなくなる。子会社の従業員の多くは天下りで、親会社の経営陣にとって先輩に当たる。そのクビを切り、自分が将来世話になるかもしれない職場を失うことには二の足を踏みがちだ。

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