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NFLの最強モデルが壊れる時(下)

NFLが死守したい競争力

2009年9月3日(木)

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 前回のコラムでは、観客動員数やテレビ視聴率、チーム資産価値などいずれの指標においても最強スポーツ組織と言われる、米プロフットボールリーグ(NFL)の危機について書きました。NFLは大リーグ(MLB)など他のプロスポーツを、ビジネスモデルという観点で大きく引き離しているのに、なぜ、こうした事態に陥ってしまったのでしょうか。その真相を探っていきたいと思います。

 事の発端は、リーグ機構が、選手会と取り決めた労使協定を「早期離脱(オプトアウト)」することを決めたことにあります。これにより2010年3月までに新労使協定が締結されなければ、2011年にサラリーキャップが消滅する決まりになっているためです。

 しかし、サラリーキャップといえば、NFLのリーグとチーム、選手が共存共栄するための重要な制度に他なりません。それなのに、NFLは、なぜ屋台骨が揺らぐリスクを犯してまで、サラリーキャップ制度をなくすという選択肢を考慮したのでしょうか? NFLは何を守ろうとしているのでしょうか?

年俸制限、サラリーキャップの必然性

 話の核心に入る前に、簡単にサラリーキャップ制度が生まれた背景についておさらいしておくことにします。

 サラリーキャップ制度の導入は、フリーエージェント(FA)制度の出現と密接に関係しています。フリーエージェント制度とは、一定の資格要件(例えば、MLBなら6年の一軍登録)を満たした選手に、他チームと自由に契約交渉を行う権利を与えるというものです。有力選手の場合、複数チームから契約のオファーが来るため、選手獲得競争はマネーゲームと化し、その結果として年俸が跳ね上がることになります。

 FA制度が導入されるまでは、選手は別名“奴隷条項”とも呼ばれる保留条項(Reserve Clause)によって、球団に拘束されていました。保留条項とは、球団が契約した選手に対して、契約期間内に他球団でプレーすることを禁止するというもので、簡単に言えば転職を禁止するものです。球団は、毎年シーズンが終わると翌シーズンの選手を保留する権利があるため、結果的に選手は球団からの拘束を受け続ける(選手の自由意志で他球団に移れない)ことになります。

 4大メジャースポーツの中で最も早くFA制度が導入されたのがMLBと米プロバスケットボールリーグ(NBA)で、1976年のことでした。その後、NFLがこれに続き、1993年にFA制度が導入されました。FA制度導入の影響によって、選手年俸は高騰の一途を辿ることになり、サラリーキャップ制度導入の契機となるわけです。

 サラリーキャップ制度をいち早く導入したのはNBAで、1983年のことでした。

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「NFLの最強モデルが壊れる時(下)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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