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のりピーのサブプライムな憂鬱(その2)

――亡国のクスリ禁止のもう1つの理由「覚せい剤は洗脳の道具」

2009年9月15日(火)

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 前回は予想を上回る多くの読者の方に読んでいただき、またコメントもたくさん頂きました。心からお礼を申し上げます。

 頂いたコメントの中に、覚せい剤を利用することで、現実と非現実の見境がなくなり、それが暴力犯罪などを誘発する、それこそが禁止の大きな理由であるという指摘がありました。全くその通りで

クスリがダメなワケ:答えその4
「覚せい剤は治安が悪い」

 これも、若者たちが有無なく「・・・確かにそうだね・・・」と納得する理由と思います。

 ただ、

「だから、クスリをやりたい連中は、どこか無人島にでも行って、勝手にやってくれ。俺たちに影響のないところでヤル分には、治安は悪くならないから」

 といった見解は、いかがなものでしょうか・・・。私は、そうは思わないのです。単に「治安が悪くなるから」が、覚せい剤の社会普及を法が禁止する、最終的な理由ではない、そう考えています。今回は、前半よりもう4~5歩踏み込んで、子供たちに

 「クスリって本当にダメだよね」

 と思ってもらえる、理由の「源流を探訪」してみたいと思います。

セックス&ドラッグから始まった「音楽への今日的アプローチ」

 改めて考えると、まる10年前のことでした。1999年、テレビ番組「新・題名のない音楽会」の監督などをリストラしてもらい、博士の学位を取った私は、一方で慶応義塾大学の教壇に立ち、他方NTTコミュニケーション科学基礎研究所の客員研究員として、基礎研究と教育のサイドにシフトして、それまでの毎日の、正直砂を噛むような音楽の現場と少し距離を置くようになりました。

 どの業界もそうでしょうが、芸能界やテレビの仕事は、正直いい部分ばかりではなく、音楽作りを良心的に考えようとすると、救いようのない現実と直面せざるを得ません。20代半ばから現場で飯を食ってきましたが、もう少し本質的な問題と向き合いたいと思った、私にとっては34歳の転機でした。

 私を教壇に迎えてくれた慶應義塾大学には、当時も今も変わらず最も感謝しています。元来、貧乏性でワーカーホリックな私は、一般教養の「音楽」のコマを担当しましたが、当時勃興期にあったインターネットの仕組みを多用して、自分としては創意を持って全力投球するつもりで授業を作っていきました。

 特に私が考えたのは、200人くらい入る大人数教室で、学生に自分の好きな音楽について30分くらい発表してもらって、講評とディスカッションをするというもので、タイトルを「音楽への今日的アプローチ」とつけました。

 耳で聞こえる音楽であれば、およそどんなものでも持ってらっしゃい、サウンドやビデオグラムなどをみんなと一緒に視聴しながら、音響の脳認知という基本的な道具だけで、どんな音楽からでも人間にとって基本的な問題をえぐり出すことができるのだから、というのが「売り」の授業です。

 まだ学生と歳が近かったこともあってでしょうか、幸いこのコマはそこそこ好評で、ディープにはまってくれる学生もけっこうな数あり、私としても楽しく仕事させてもらいました。

 この当時、慶應義塾大学で教えていた中でクラシック音楽の切り売りで食っていたのは多分、私1人と思いますが、その私が「ヘヴィメタ」「ビートルズ」「松任谷由実」から、コマーシャルのサウンドエフェクト、「ノイズ」「ドラムンベース」などなど、ありとあらゆるジャンルの音楽を、大学という音楽の解剖台に乗せて、客観的な角度で切り開いてみせるということをしてみたわけです。学生たちとはとても仲良くなり、慶應義塾大学の学園祭「三田祭」の歌コンテストの審査員に呼んでもらったりしたのも、とてもいい思い出です。

 さて、この授業のシリーズの、一番最初の発表者はT君という学生で、2009年現在は29歳くらいになるかと思いますが、彼は「ベルリン・ラブ・パレード」という「テクノ」(「ク」と「ノ」にアクセントがある、尻上がりなイントネーションで読みます)の巨大イベント「レイブ(Rave)」について発表しました。

 このベルリン・ラブ・パレードはとりわけ、ホモ・セクシャルやトランスジェンダーなどの「セクシャル・マイノリティー」のデモンストレーションという側面があります。そしてもう1つ、このレイブを考えるうえで、どうしても切り離せないのが「スピード」こと、覚せい剤にほかなりません。

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