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「政治を科学する」という大きな誤り

――別の角度からの鳩山政権への期待(その1)

2009年9月18日(金)

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 9月16日に発足した鳩山由紀夫政権には、各方面から様々な期待や注文が寄せられています。日経ビジネスオンラインでも新政権への期待度アンケート「新政権発足、あなたは期待するか」が取られました。皆さんはどうお考えになりますか?

 私も、過日まだ岡田克也外相の人事が決まる前のこと、某テレビ番組に出演した際「鳩山政権に期待することは?」と尋ねられましたが、その時、反射的に「55年体制以来・・・いや、戦後初めて、国際的に通用する政治になる可能性がある」と答えてしまいました。

 これ、聞きようによってはずいぶん失礼なことを言っていますよね。 マズかったかな、と思ったのは発言後のことで、後の祭りです。だってこれ、保守合同以来、いやGHQ(連合国軍総司令部)に占領されてこの方の、あらゆる日本の政治は国際的に通用してこなかった、と言っているようなものですから、ある種の関係者がご覧になれば、クレームが来て当然です・・・幸か不幸か、そういう電話などなかったようで、後から胸を撫で下ろしましたが。

 でも、どうして反射的にそんなことを言ってしまったのか。その理由は、直前に鳩山氏の大学・大学院時代の専門について「理系の観点から」確認していたからにほかなりません。

 戦後の選挙史上最多の議席数で圧勝した民主党政権は、おそらく今後、米バラク・オバマ民主党政権の継続と並走していくことになるでしょう。4年と言えば、安倍晋三+福田康夫+麻生太郎と、おのおの1年任期で終わった過去3代の自民党最末期政権の合計より長いタイムスパンになります。

 「チェンジ」の時期に変化に即応できる安定政権が期待されるのは言うを待ちません。では「新しい安定政権」像として、限界の内外情勢の下、「新政権」に求められる姿は何なのか? 「コップの嵐」の政争ではなく、グローバルなビジョンから日本に求められるものについて、今回と次回「別の角度からの新政権への期待」を掘り下げてみたいと思います。

「理系宰相」への期待と「科学する」という間違い

 マーガレット・サッチャー(イギリス)、胡錦濤(中国)、アンゲラ・メルケル(ドイツ)、ヴァレリー・ジスカールデスタン(フランス)・・・各国の政権首班(経験者)の名を並べました。ここに共通するものは何か?

・・・彼らが「理系」出身者であるということです。例えばジスカールデスタン大統領は、我が国でもポピュラーになった日産自動車会長兼社長であるカルロス・ゴーン氏の先輩で、エコール・ポリテクニーク(フランス国立高等理工科学院)の出身者です。

 先進諸国では決して珍しくない「理系政治家」「理系宰相」。しかし、本邦においては「明治以来(ほぼ)初のこと」と言われています(ちなみに本稿は「理系」であること、そのものを称揚するような意図はありません)。それ以前に、民主党や鳩山氏自身も含め、キャッチフレーズとして使っている「政治を科学する」という言葉が招きかねない、大きな誤解を、まず最初に指摘しておきましょう。誤った言葉が流布すると、かえっておかしな事態に陥ってしまいかねないからです。

 これはあくまで邪推ですが、「政治を科学する!」というキャッチフレーズは多分、民主党の選挙PRを担当した広告代理店の誰か適当なコピーライターが考え出したもので、当事者から出てきたものではないだろう、と私は想像しています。

 「鳩山由紀夫さんは東京大学工学部計数工学科卒、同大学院を経て米スタンフォード大学で博士号を取得した『ドクター・ハトヤマ』。ここで『理系に政治ができるのかね?!』といった悪罵を跳ね除け、選挙広報上、有権者受けしそうなキャッチフレーズにするにはどうしたらよいか、うまいコピーとストーリーを考えてよ!」

 こんな相談を受けて、代理店的な人物集団が考えたキャッチフレーズの中に「政治を科学する」「脱官僚政治」といったコピーがあるのではないか。そんな想像を私は逞しくするのですが・・・。

コメント28件コメント/レビュー

「シラけた評論でなく国民もろとものダイナミックな変化へ」と主張している人が、『「政治を科学する」は脇の甘いコピーだ』とか、『「科学」じゃなくて「工学」でしょ』、といった”シラけた評論”のようなコメントを発していて、ちょっと自己矛盾しているように感じてしまいました。鳩山ファミリの経歴など知らないことが多かったので、参考にはなりました。鳩山さんって頭のいい人で、何かやってくれそうだ、という期待感が、少し上昇しました。(2009/09/18)

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いただいたコメント

「シラけた評論でなく国民もろとものダイナミックな変化へ」と主張している人が、『「政治を科学する」は脇の甘いコピーだ』とか、『「科学」じゃなくて「工学」でしょ』、といった”シラけた評論”のようなコメントを発していて、ちょっと自己矛盾しているように感じてしまいました。鳩山ファミリの経歴など知らないことが多かったので、参考にはなりました。鳩山さんって頭のいい人で、何かやってくれそうだ、という期待感が、少し上昇しました。(2009/09/18)

自分はタイトルには全然気に留めてもいませんでしたが、なるほど、他の方のご指摘の通り、内容を反映してるとは言えないですね。内容的には自分には十分参考になりましたが。それと、編集部の方にお願いですが、コメント掲載のレスポンスが悪いので、なんとかして欲しいです。前回の伊東氏の記事に当日のうちにコメントしましたが、結局掲載されませんでした。こんな具合だと、コメントを残す気もなくなります。(2009/09/18)

「科学する」という言葉が流行ったことがあると聞いたことがあります。辞書によると第二次近衛内閣の文相橋田邦彦が「科学する心」という本を出していてこれが最初の使用例らしいです。鳩山氏が初当選した1986年当時「科学する」という言葉がそれほど流行っていたわけではないでしょうが、それなりに使われていた言葉なのでキャッチフレーズにしたのではないかと推測します。最近はあまり使われなくなったような印象です。科学と技術の違いを述べる前振りに使いたかったのだと思いますが、もう少し語源を調べて欲しかったです。他の方も述べていますが、表題と中身があっていないのでよけいにひっかかります。科学と技術の違いについてですが、確かに違いますが、昔よりも近くなってきたと思います。コンピュータ分野などは数学の成果がすぐに実用化されるようになり、実用化したものから科学への貢献例も出てきていると聞きます。(2009/09/18)

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