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なぜ日本の小売業はダメなのか?

「やるべき業務をしていない」から魅力がない

  • 大久保 恒夫

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2009年10月5日(月)

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 疲弊する日本の小売業。イトーヨーカ堂は2009年8月中間決算で営業損益が43億円、イオンも2009年2月期決算で総合小売事業の営業利益が約2割減と、大手が落ち込んでいる。これまでのような規模拡大の追求は限界を迎え、終わりのない低価格競争に突入した様相を呈している。

 ところが、昨年秋のリーマンショックをもろともせず、増益基調にある食品スーパーマーケットがある。関東・中部・近畿に約50店舗を抱える成城石井だ。その取り組みを紹介した「不況下でも利益を2倍にする売り方」は、多くの読者の関心を集めた。

 本コラムでは、その成城石井を率いる大久保恒夫社長が自ら筆を執る。大久保社長は、イトーヨーカ堂で業務改革を担当し、「ユニクロ」のファーストリテイリングや「無印ブランド」の良品計画などの快進撃をコンサルティングとして支え、九州の大手ドラッグストアであるドラッグイレブン(福岡県大野城市)の事業再生に携わった経験の持ち主だ。モノを売る喜びと、そこに潜むビジネスチャンスを解き明かしていく。

 米国では予想外の業種の就職人気が高い。驚くなかれ、米国では小売業の就職人気が高いのである。米ビジネス誌『フォーチュン』がアメリカで最も働きたい企業100を毎年調査し発表しているが、2008年にはベスト20に小売業が3社も入っている。小売業は金融機関にもヒケをとらない人気である。

 その小売業の中でも人気が高いのが食品スーパーマーケットである。ニューヨーク州を中心に地域密着と顧客ニーズへの対応を徹底するウェグマンズが第3位、サンフランシスコ周辺でたった10店舗しか出店していないナゲットマーケットが第12位、健康志向で違いを出して成長しているホールフーズが第16位である。

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日本の売り場は世界に誇れるのに・・・

 では、日本はどうだろう。小売業の就職人気は惨憺たるものである。景気が良くなり、他業種の採用が増加すると小売業は採用人数を確保するのに苦労する。就職しても、小売業なんかに就職するのか、といった目で見られることもある。

 なぜ日本の小売業は人気がないんだろう。「給与が安い」「仕事がきつい」「土日に休めない」とかいろいろ考えられるが、私は「社会的評価が低い」ことが一番の問題だと思っている。

 生産から物流、在庫、販売に至る流通構造の中で、小売業の果たしている価値は何だろう。小売業は販売業である。かつての高度成長期は消費者の需要が大きく、まだまだ小売業が発展途上で、メーカーがどんどん生産する商品を販売する売り場面積が足りなかった。

 売り場面積を持っていることに価値があり、ダイエーに代表される総合スーパーなどがどんどん出店し、売り上げ、利益を拡大させていった。しかし、成熟社会となり、消費者の需要は縮小していく中で、小売業は出店を繰り返し、売り場面積は拡大した。

 売り場面積はもう余っている。売り場面積を持っている価値は大幅に低下しているのである。

コメント40件コメント/レビュー

アメリカの接客がいい加減なのは、仕事に対するプライドがないからです。もらっている安い給料以上の仕事をする必要がないからです。日本もだんだんそうなりつつあります。(2009/10/12)

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いただいたコメント

アメリカの接客がいい加減なのは、仕事に対するプライドがないからです。もらっている安い給料以上の仕事をする必要がないからです。日本もだんだんそうなりつつあります。(2009/10/12)

私は定年で退職いたしましたが、最近までトレタリー業界で働いていた経験から、大久保社長の見解には概ね納得のいくところです。小売業、特に総合スーパーは同質化し、消費者に魅力の無い業態になってしまいました。近年、格差の拡大が問題となっていますが、小売業にとって、どの層のお客様を自社の真の顧客にするのか、差異化に向けたよい機会と思います。一方、安易な安売り競争は、記事のようにメーカー卸の負担、またパート化等の人件費抑制の上に成り立っていると思われます。それらの人達の生活も配慮すべきと思います。コスト削減と生産性向上は、小売業の仕事のやり方を見直せばいくらでも可能です。40%の実行率の改善、顧客分析、購買行動の解析などに小売業は人もお金を掛けてきませんでした。これらを支えるIT投資は、欧米の小売業に比べ各段に劣っています。世界の有力小売業ほどメーカーとのコラボレーションを進め、人材育成とノウハウの活用を行っています。最終決定権は小売業がROI尺度で決定するとのことですが、日本もこのようなコラボがより必要ではないでしょうか。お客様の満足、従業員の幸せ、「魅了ある小売業づくり」頑張ってください。(2009/10/10)

小売業の地位の低さは、接客業に対する世間の評価の低さの現れだと思います。日本のお金のかからないサービスの質は欧米に比べて格段にいいと思いますが、日本では当たり前ですから評価は上がりませんね。欧米ではレジは座ってマイペースでするのが当たり前、ショップスタッフ同士でおしゃべりしていてもとがめられません。そんなゆるーい雰囲気が日本で店頭に販売員として立つ私にはうらやましくて仕方がありませんが。根本的な問題は結局の所、給料の低さ、休日の少なさ、にあると思います。小売業でも一般企業並みの給料、週休2日以上の休日を得られるようになれば地位も自然と上がるでしょう・・。給料は夢物語ですが、休日ならばなんとかなると思います。しっかり休めれば、現場の疲弊感も和らぎます。流通構造云々は末端スタッフにはどうしようもないことですので、1週間の連続有給休暇を法律で義務化する、などそんな働きかけを大久保さんからして頂きたいとリクエストしておきます。(2009/10/08)

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