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夢を抱かば、許容の門戸を広げよ!

大川功・CSK創業者、坂本孝・ブックオフコーポレーション創業者

  • 田嶋 雅美

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2009年9月30日(水)

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 「大川は、とてもチャーミングな人でした」。喪主である、大川功さんの奥様は、2001年、しんと静まる「お別れ会」の会場で、語り始めた。

 強面の大川さんをチャーミングというその方は、日本舞踊のような立ち振る舞い、語り口、そのどれもが「粋」という言葉がぴったりの風情で、大川さんがいかに社員を大切に思っていたかが伝わる創業時のエピソードを次々と語られていった。今でも、鮮明に、シーンまるごと脳裏に焼きついている。

 お話を伺いながら、私は涙が止まらなくなった。「大川さん、ごめんなさい。いただいたコンサルティングのミッションはまだ達成していません。間に合わなかったです」。

プロジェクトは常に立ち消え・・・

 大川さんは、コンピューターシステム開発大手のCSKの創業者。日本のソフトウエア企業として初めて株式公開を果たすなど、情報サービス産業に大きな貢献を果たした。また、エンジェル投資家として、若いベンチャー起業家を支援していたことでも有名だ。

大川功・CSK創業者(写真:清水 盟貴)

 そんな大川さんから、いただいたミッション。それは、大川さんが支援していたセガでアミューズメント(AM)施設事業の社員を「一国一城の主として活躍できる人材に育ててくれ」ということだった。「セガの社員は優秀ではあるが大人しい。まぁ、いわゆるサラリーマンの集団や。この業界を選ぶくらいだから、本当はやんちゃなはねっかえりが多いはずだが、大企業の中で飼い慣らされてしまったんやな。これでは、今後、激変するアミューズメント業界の荒波を乗りこなしていけない。彼らに潜む、アントレプレナーシップ(起業家精神)を揺さぶり起こし、鍛え直してやってくれ」。

 私がコンサルに入った1999年頃のセガは、コンシューマー事業とAM施設事業の2本柱となっていた。華やかにマスコミを彩るのは、もっぱら家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」を擁するコンシューマー事業。しかし、会社の稼ぎ頭は、実はAM施設事業であった。ドリームキャストはシェアが伸び悩む一方で、多額な開発費用を投じなくては勝てないという不均衡な状況が続いていた。

 「アミューズメントで稼いだ利益を、湯水のごとくドリームキャストに使われる」と、AM事業開発担当役員の田副康夫さんはよく冗談混じりにこぼしていた。

 だが、AM事業も決して安泰というわけではなかった。セガは、不良の溜まり場の印象があったゲームセンターを、ファミリーが安心して遊べる健全なアミューズメント施設へと牽引した業界屈指のリーダーである。そのトップポジションは揺るぎないものであったが、「携帯電話」の急速な普及という思わぬ伏兵が登場したのである。時代の変化によるマーケット縮小の兆候が現れ始めていた。

 AM施設事業は、次世代に向けたエンターテインメント施設の開発投資を希望したが、経営陣の指針は、むしろ、ドリームキャストの損益を埋めるために、AM施設が価値の高いうちに売却する方に流れていた。800店舗を丸ごと売却するパターンと、既につながりのある地方の資産家や事業家などに店舗を譲渡するパターンの選択肢があった。どちらにしても、売却とフランチャイズ(FC=加盟店)契約を同時に行い、以後のセガの収入源を確保しようと考えたのである。

 セガは、業務用ゲーム機を開発・販売している。一般のAM施設にも販売しているが、何と言っても業界ナンバーワンの施設数を誇る自社チェーンが最大の顧客である。競合メーカーとの戦いが激しさを増しているだけに、売却した後でも安定的に購入してもらえるような戦術が必要だった。

 ゲーム機は高額である。推奨するゲーム機をタイムリーに仕入れてもらうためには、それをどう収益に結びつけるかのソフト面のサポートが必要だ。ブランド力、集客につながるイベント、高い収益性を実現する運営ノウハウや高額投資された情報システムなどのソフト面。加えて、「東京ジョイポリス」に代表される大掛かりなテーマパークや、シネマコンプレックスとの併設などで、セガブランドのユーザー好感度も非常に高い。

 これらの要素を整備していくと、質の高いFCパッケージは構築できるはず。FC化プロジェクトは、各部署のエースを選抜して結成された。

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