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第1回 JR西日本の経営陣はどんな言い訳をしても罪を逃れられない

  • 武田 斉紀

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2009年10月5日(月)

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 7月から9月にかけて10回シリーズで「社長の話がわかりやすい会社は伸びる」というコラムを書いてきました。読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 その第1回で、JR西日本が2005年に起こした福知山線の脱線事故について触れました。今回新しいシリーズを展開するに当たっても、私はやはりこの会社の起こした凄惨な事故から取り上げることにします。

JR西日本の経営陣、癒着した委員の終わらない言い訳

 一瞬にして奪われた100人以上の命。そのお一人お一人のご遺族の方々のやり切れない思い。500人以上の負傷者の方々、現場付近の住民のみなさんの精神的ショックも、まだ癒えることがないでしょう。しかし、その心労を逆なでするかのようなJR西日本経営陣の裏工作の事実が、次々と明らかになってきました。

 事故当時、鉄道本部長だった山崎正夫・前社長は、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調査委、現・運輸安全委員会)の山口浩一・元委員に予め接触し、情報収集やJR西日本にとって有利になるような報告書の修正を依頼していたことを認めました。山口氏は元国鉄の職員でした。

 さらには、事故調査委の鉄道部会長という要職にあった佐藤泰生氏が、土屋隆一郎・現副社長の命を受けた鈴木喜也・現副本部長と10回にわたって会食し、報告書の中身について漏えいしていたことが明らかになりました。佐藤氏も元国鉄の職員でした。

 そもそも個別に会うこと自体に問題があるという認識がない時点で、部会長としては失格ですが、会食の費用をすべてJR西日本側に持たせていた事実が、ギブアンドテイクの関係を証明しています。「元国鉄同士だから話すけれど、そちらにメリットがあるのだから食事は当然そちら持ちだよね」ということでしょう。メリットのある方が支払うのがビジネス上のマナーです。

 私は仕事上で公務員の方とのお付き合いもありますが、理由なき会食はお互いにしませんし、基本的にすべて割り勘です。それがもはや公務員と民間が付き合う上では常識となっています。

 佐藤元委員は、会見で「誤解を招き反省している」と言いました。誤解とは誤って理解するという意味です。遺族や被害者、世間が誤って理解していると言いたいのでしょうか。誰も誤って理解などしていません。誤っているのは佐藤氏の方でしょう。

 土屋副社長は「組織的ではなく、個人でしたこと」とマスコミの取材に答えていました。土屋氏は組織的ということがわかっているのでしょうか。副社長の指示で部下の副本部長が動いていること自体がすでに組織的です。

 報道がされるたびに、ご遺族の方々はさぞや裏切られたという思いを募らせていることでしょう。信じた自分が情けない、亡くなった家族に申し訳ないと、時にご自身を責めていらっしゃるでしょうか。責められるべきはJR西日本の経営陣の方です。

 今回のシリーズの第1回でもJR西日本を取り上げようと思った理由は、前シリーズのコラムで書き残したことがあったからです。

 私は、法的な事実関係や証拠がどうであれ、企業理念コンサルタントの立場から、山崎前社長、土屋副社長を含む、事故および漏洩や隠蔽に関わった経営陣全員の責任は問えると考えています。

コメント14件コメント/レビュー

社長、幹部、社員が、同じ目的と価値観を共有浸透することは理想ですが、もし自分が社長の理念や価値観に合わない、と思えば転職すべきなんでしょうね。社員全員が共有している会社があるとは思えません。価値観なんて個々に違うんですから。(2009/10/07)

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社長、幹部、社員が、同じ目的と価値観を共有浸透することは理想ですが、もし自分が社長の理念や価値観に合わない、と思えば転職すべきなんでしょうね。社員全員が共有している会社があるとは思えません。価値観なんて個々に違うんですから。(2009/10/07)

最低・最悪ではないだろうか、山崎前社長、土屋副社長の人間性のことである。JR西日本とか、会社とか言うが、この2人の人間を厳しく評価すべきと思う。これだけの大事故を起こしながら、最悪の裏切り行為をする人間性にもっと焦点を当てるべきである。見渡すと周りにも要領が良く、何かがあると責任逃れで他人に責任を押しつける、他人を悪者にして出世したがる、このような人間がかなりたくさんいるだろう。こういう人間が社長や副社長のトップについて、護身を計り、卑怯な手段、手段を選ばない汚い手でで御身を大事に守って付く。このようなトップ層の下だからこそこれほど重大な事故が起きたのかもしれない。もっともっと社会的な糾弾が必要と思う。(2009/10/07)

法的に問題の無い設備(最低維持基準は法的に決められている。)で大事故になった。法的には問題は無いが、そこに付加していく安全レベルは経営者の裁量であり、無限にお金があるわけではないので、優先順位の付けかたが経営者のマネージメント能力と天賦された運である。部外者がクリアハンドで望ましいが、如何せん、国鉄元社員であってもなかなか解明が難しいレベルでの事故である。 ハードシステム完成度(安全障壁が何重ねにもなっている)が高い鉄道設備および業務完成度(職業訓練、運転士資格試験合格、日常の訓令など)が高いので、非常に解明が難しいことから、国鉄元社員になったものと思われる。 著者が、そのような経験を持っていないことがタイトルと内容が乏しく、アジ的なステレオタイプになっているが残念だ。(2009/10/06)

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