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目標はデルからHPに変わった

次世代モデルは「ポートフォリオ・サプライチェーン」

  • 大矢 昌浩

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2009年10月6日(火)

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 今回はサプライチェーン・マネジメント(SCM)の専門家の間で議論されている、世界最先端のテーマを紹介したい。

 現状ではまだ具体的な手法として確立されていない段階で、その説明には生煮えのカタカナ言葉が並んでしまうことになるので恐縮なのだが、中長期的なSCM戦略を担う立場にある人にはヒントになるかもしれない。

 筆者がそれを耳にしたのは、1年ほど前のことだ。SCMの世界的権威とされる、米マサチューセッツ工科大学のデイビッド・スミチレビ教授にインタビューする機会を得た。

 「これからの時代をリードするビジネスモデルは何か」とスミチレビ教授に尋ねたところ、間髪を入れずに「ポートフォリオ・サプライチェーンだ」という答えが返ってきた。初めて聞いた言葉だった。

金融、マーケティング、そして物流へ

 「ポートフォリオ」とは、元々は有価証券を持ち運ぶ時に使う、間仕切り付きの書類カバンのことだそうで、そこから派生して、今は「資産構成」を意味する金融用語として一般に使用されている。

 ポートフォリオの管理手法として、投資先の組み合わせとその配分を調整し、リスクを許容範囲内に抑えながらリターンを最大化する様々なテクニックが開発された。

 それがマーケティング分野にも転用されて、製品ポートフォリオや事業ポートフォリオ、顧客ポートフォリオといった経営管理手法が生まれた。製品のバラエティーや事業ラインアップ、対象とする顧客層の構成を最適化しようとするものだ。

 同じように、「今後はSCMにもポートフォリオの考え方を採り入れる必要がある」とスミチレビ教授は指摘している。その背景にあるのは「デルモデル」の陳腐化だ。

 1990年代中頃から2000年代前半までの約10年間にわたって、コンピューターメーカーの米デルは、他社が目標とするSCMのベンチマークだった。

 技術開発はサプライヤー任せ。デザインも無骨。それでも市場では圧倒的に強い。デルはSCMがどれだけ企業競争力を左右するのかを説明する格好の材料だった。

 しかし、現在はすっかり勢いを失っている。世界シェアトップの座を2006年に米ヒューレット・パッカード(HP)に奪われて以降、その差は縮まる気配がない。

 IT(情報技術)業界の専門家にその理由を聞くと、市場の競争軸がコンピューター1台当たりの単価から、複数のコンピューターをつなげて使用する仮想化技術にシフトしたのに、デルはその流れに乗り遅れたという。

 そうしたコンピューター市場の構造変化とは別に、サプライチェーンの観点からもデルの凋落は説明できる。

 現在のデルは、同社が「デル・ダイレクト・モデル」と名付けたユーザー直販とは別に、小売店への卸販売も行っている。

 ダイレクトモデルにおいて、デルは価格を訴求力にすることができた。しかし、それを支えてきた強力なサプライチェーンが、店頭販売チャネルでは機能不全を起こしている。

失われたダイレクトモデルの強み

 ダイレクトモデルは価格と並んで製品のオプションが豊富なことも強みの1つだった。普通であれば、それだけたくさん在庫を抱えなければならないところだ。

 しかし、デルはそれを受注生産方式によって回避した。ユーザーの注文を受けてから部品を引き当てることで、需要の変動を完成品ではなく、部品段階で吸収した。

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