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公正取引委員会が牽制する「センターフィー」問題

菱食は日本的商慣行に方針転換を迫られた

  • 大矢 昌浩

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2009年10月20日(火)

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 大手加工食品卸の菱食が、20期連続の増収増益を達成した成功モデルを捨て、事業構造改革に乗り出している。ロジスティクスによる差異化から効果的な商品提案に戦略を転換した。

 このことを筆者は、菱食の打ち出した流通ビジョンが、日本的商慣行の前に破れた結果だと受け止めている。

 日本の加工食品の中間流通では、商品1個単位のバラ注文が全物量の約2割を占めている。そのピースピッキングと仕分け作業に倉庫運営コストの8割が費やされている。全物量の8割を占めるケース単位の注文の処理には、2割のコストしかかかっていない。

 バラ注文をやめてしまえば、物流コストは大幅に下がる。欧米の大手流通業者は皆そうしている。しかし、日本はそうはならない。

生活と結びつく多頻度小ロット

 生魚や日持ちのしない総菜が好まれる日本には、毎日その日の食材を地元のスーパーマーケットや商店街で買い物する習慣が根付いている。

 それを前提にすべてのインフラが設計されている。日本の一般家庭用の冷蔵庫は欧米の冷蔵庫より、ひと回り小さい。1週間分の食材を冷凍して保管する容量はない。その代わり、家から歩いていける距離に、たいてい食料品店やスーパーがある。

 店舗数が多い半面、1つひとつの店の規模は小さい。陳列スペースは限られていて、在庫を保管するバックヤードはない。ケース単位で商品を仕入れても置き場所がないので、発注はピース単位にならざるを得ない。

 日本人の食の好みや生活習慣と多頻度小ロットの流通は強く結びついている。そのため、欧米のように大手数社によって小売市場が牛耳られてしまうような寡占化が起きにくい。

 小売大手5社の市場占有率は、欧州の先進国で8~9割、米国でも5割近くに達している。日本は2割以下だ。イオンとセブン&アイ・ホールディングスの連結売上高が5兆円を超えたといっても市場占有率は5%にも満たない。

 その一方、日本では小規模な一般小売店の販売額が、現在も小売市場の6割を占めている。中小スーパーのシェアも依然として堅調だ。

 一般小売店や中小スーパーは、組織小売業の隆盛によって時代と共に衰退していくという見方が従来は支配的だった。しかし、実際にはそうなっていない。

 商業統計によると、小売市場における一般小売店(専門店・中心店)のシェアは1999年まで下がり続けた後は、横ばいもしくは微増に転じている。

 日本では今後も当分の間、小売業の小規模分散が続く。その中間流通のオペレーションでは、ピースピッキングの処理が中心的な課題になる。

 それに対して菱食は、同社が「RDC-FDC」と呼ぶ、汎用的な物流インフラを構築することで、独自のビジョンを打ち出した。

 RDCとはリージョナル・ディストリビューション・センターの頭文字を取った略語で、ピースピッキングを高速処理する自動化機器を備えた広域物流センターを指している。

 全国の各商圏の中央にRDCを設置し、それを衛星状に取り巻く形で、主要な納品先のそばにFDC(フロント・ディストリビューション・センター)を配置した。

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