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グリー躍進、本当の理由(前編)

“プロリーマン”たちの自己実現

2009年10月26日(月)

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 「でもグリーって、最初は米国で流行り初めていたSNSを輸入しただけだった。同時に始めたミクシィに完敗すると、今度は携帯電話向けSNSと無料ゲームで急成長したモバゲータウンを追うように、携帯電話向けに事業を特化していった」

 「そんなことはないけど…。モバゲータウンは、SNSとゲームが同居していただけで、連動しているとは言えなかったから」

 「いや、何が聞きたいのかと言うと、世間を驚かせるような、誰の目にも明らかな新規性はないにもかかわらず、この1、2年で脅威の数字を残すことができたのは、なぜなんだろうと。たまたまゲームがヒットしただけ、という理由だと、飽きられたらお終いでしょう」

 「うーん、サービス以外に解を見出すとすれば、どんどんとすごい人が仲間になって、それぞれ得意な分野でブレークスルーのきっかけを作ってくれたからかな」

 こんな会話を機に、グリーの取材が始まる。確かに、社会で十二分に実績を残したスタープレイヤーが、技術、財務、マーケティングとグリーの成長に不可欠な要の職に座り、グリー躍進の契機となった象徴的な結果を出していた。

楽天で週2日勤務、月額200万円を稼いだ「PHPの神」

 グリーの歴史は社長である田中の個人的な“趣味”から始まった。当時、楽天の社員だった田中は、米国で流行りを見せていたSNSのサイトを休日などを利用して完成させた。2004年2月のことだ。

 最初は知り合い同士が互いに友達登録をしたり、ブログのような日記を更新したりできるパソコン向けのシンプルなSNSで、携帯電話には対応していなかった。

 それでも、友達の友達、その先へとつながっていく面白さが受け、20歳代を中心とする若者に急速に広まった。その速度は、会員数が翌月に1万人を超え、8カ月後の10月には10万人に達する勢い。こうなると、本業の傍ら趣味でやる程度のシステムではもたない。会員からの問い合わせや要望も殺到するが、個人運営ではとても追いつかない。

 田中は、楽天を辞め、本格的に事業としてグリーを育てていこうと決意を固め、2004年12月、大学時代からの友人だった山岸を誘ってグリーを設立した。ただし、ここから1年程度は事務所を借りたり人を集めたりと、会社の体を成すための作業に奔走することになる。

 グリーが足踏みしている間にSNS首位の座を盤石にしたのが、国内最大の会員数を抱えるSNS「mixi」の運営会社、ミクシィである。

 GREEとほぼ同時期に始まったmixiは、出足はGREEに劣ったものの、最初から法人の事業として開始されたものであり、ほどなくグリーを置き去りにした。mixiの会員数は2005年8月に100万人を突破。一方、同時期のGREEの会員数は20万人程度しかいなかった。

 先をひた走るライバルに焦りが募る。早晩、機能を大幅に強化し、数百万人の利用に耐え得るシステムを築かねば、グリーに未来はない。しかし、立ち上がったばかりのベンチャーには余裕がない。

 そんな中の2005年6月、最強の助っ人が取締役兼最高技術責任者(CTO)としてグリーに合流した。藤本真樹、30歳である(現在は取締役執行役員CTO)。

週2日勤務で月額200万円稼いだ凄腕技術者

プログラミング言語の世界で「神」と形容される藤本真樹取締役(写真:都築 雅人)
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 田中が「PHPの神」と形容するように、藤本は、当時流行り始めたプログラミング言語「PHP」の世界で、有名な技術者だった。PHPは、世界中の有志の技術者が改良を加えて機能を高める「オープンソース」の言語。今では広くウェブサイトの構築で利用されている。

 当時、PHP言語の開発に携わる技術者のほとんどは欧米人だったが、日本からも数人が参加していた。その1人が、藤本である。

 世界に通用する藤本の技術は、中学時代から培われた。中学1年の時、パソコンに初めて触り、独学でプログラミングを覚える。その腕は、高校時代にはプロ顔負けのレベルに上達していた。

 小さい頃から海外の児童文学やファンタジー作品に興味があった藤本は、「ITはアルバイトでも勉強できる」と割り切り、上智大学文学部英文科に進学する。だが、逆に社会経験が藤本の才能をさらに開花させた。

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「グリー躍進、本当の理由(前編)」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授