「出版・地殻変動」

出版・地殻変動

2009年10月27日(火)

電子書籍「キンドル」上陸の衝撃

アマゾンは出版を再興できるか

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 米アマゾンは10月22日に2009年7〜9月期の決算を発表。売上高が前年同期比28%増の54億4900万ドル(約4900億円)、純利益は同69%増の1億9900万ドル(約180億円)と大幅な増収増益を記録した。

 好業績を牽引したのが、創業者であるジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)に「金額、数量ともにアマゾンで最も売れた製品」と言わしめた電子書籍リーダー「キンドル」だ。

電子書籍リーダー「キンドル」
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 2007年11月の発売以来、数値こそ公表していないがキンドルの快進撃は電子ブック市場を急速に拡大している。2007年第1四半期の全米市場規模は750万ドル。それが2009年第2四半期には3760万ドルと5倍になっているのだ。

 米アマゾンは10月7日、米国内向けに販売していたキンドルを世界100カ国以上の国に販売すると発表。当初279ドルと発表したが、23日には価格を20ドル引き下げ、さらに購買を促している。米アップルが「iTunes」と「iPod」というソフトとハードを開発して音楽業界の流通に変革をもたらしたように、アマゾンもキンドルを使って書籍購入の新たなプラットホームを築こうとしている。

 いよいよ日本にも上陸してきたキンドル。19日には日本向けに発送を始め、早い人では21日に手元に届けられたという。町の書店は、電子書籍の本格的な流行に恐怖を感じている。一方、出版業界関係者は書籍市場全体の拡大に期待を寄せる。

 キンドル上陸は、縮みゆく出版業界の再興につながるのか。商品開発を担当する米アマゾンのキンドル担当プロダクトマネジメントダイレクターのチャーリー・トリッツシュラー氏に、キンドルが世界に与える可能性と今後の展開を聞いた。

(聞き手は日経ビジネス記者、白壁 達久)

チャーリー・トリッツシュラー

キンドル プロダクトマネジメント ダイレクター

1989年から97年まで10年間米アップルで生産ラインマネージャーを担当。その後リベレートテクノロジーでマーケティング担当副社長、パームソースでプロダクトマーケティング担当副社長として商品マーケティング戦略とその実行を指揮。2005年、アマゾン入社。プロダクトマネジメント ディレクターに就任し、キンドルの商品開発、マーケティング、技術設計を担当する。



 ―― ついにキンドルを米国内から外へ、それも100カ国以上への販売を開始しました。

 トリッツシュラー ようやくこの日がやってきた。2007年に発売して以来、世界から待望論のあったキンドルを出荷できる。アマゾンにとって、キンドルは大きな成功の1つと言えるまでになった。

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 米国でも電子書籍が一般化してきた。その証拠にある本の販売データを見たところ、今年5月に紙の書籍100に対して35だった電子書籍の販売が、10月には48にまで上昇している。半年弱で13ポイントの上昇を記録した。今後も拡大は続くだろう。

 ―― 電子書籍リーダーが本格的に普及しなかった時期がありましたが、キンドルの登場で一変しました。キンドルは電子ブックの何を変えたのでしょうか。

 トリッツシュラー ほかがうまくいかなかった理由について、きちんとした分析ができているわけではないが、いくつかキンドルが改善した点はあると思う。

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出版・地殻変動

国内の出版市場の縮小が止まらない。退潮が著しい最古のメディアはいかなる将来像を描くのか。存在感を増すアマゾンに対し、既存の出版業界もようやく重い腰を上げ始めた。業界を挙げて、返本の原因となっている古い取引制度を変えられるのか。

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