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第6話「必要なのは数人の従業員と、丸の内のオフィスだけだ」

2009年10月28日(水)

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これまでのあらすじ

 経理部長の団達也と課長の細谷真理がジェピーを去った後、親会社であるアメリカの大手電子部品会社UEPCはジェピーの知的財産を調べ上げていた。UEPCがジェピーを手中に収めることができたのは、UEPCから投資銀行マインスリー社に出向していたリンダの手腕によるものだった。

 公認会計士の西郷幸太は、地元・豊橋で自身の事務所を開き、精力的にクライアント回りを始めていた。新しい事務所に移ったとは言うものの、仕事や職員は、70歳で隠居した今川公認会計士のものを引き継いだのだった。西郷はかつて達也と一緒にジェピーの不正会計を明るみに出した。

 西郷は自動車部品会社、日野原工業の創業者から、「会社を清算したい」という相談を持ちかけられていた。当初は創業者の気力の問題と考えていた西郷だったが、同社の決算書を子細に調べていくうちに、巨額の借金と機械設備があることが分かってきた。日野原工業は10億円もの決算操作をしていたのだった。

 一方、ジェピーの技術者としてロボット開発に尽力した金子順平は、突然辞表を出してジェピーを去っていた。

 

ニューヨーク

 「リンダ。きみの頑張りで念願のジェピーが手に入った。良くやった」
 UEPC社のCEO、ロバート・グラハムは珍しくリンダをほめた。

 「与えられたミッションを実行したまでです」
 「先週、日本にいるピーターから電話があって、特許にかかわるすべての調査を完了したと言っていた。ミサワの頭の中を洗いざらい調べ上げたそうだ。それと、ジェピー自慢のロボットもバラバラにして、設計図面と照らし合わせたうえで、自分らの手で組み立てた、と言っていたよ」

 すると、リンダがこんな質問をした。
 「ロボットの制御プログラムも調べましたか?」

 「その点については、チーフエンジニアのアンソニーが、隅から隅までプログラムを解読したそうだ。どうやら、たいしたことはなかったようだ」

 なぜかリンダに不吉な予感がした。もしかしてUEPCが送った技術者たちは、物見遊山気分で日本に行ったのではないか…。だが、ロバート・グラハムは上機嫌で話を続けた。

 「これで我が社は、タダ同然でジェピーが持つ特許を使えることになった。しかも、ミサワも手に入れた。退職までの半年、アメリカの研究所で大いに働いてもらうつもりだ」

 すると、リンダが口を挟んだ。
 「確かにミサワは天才的な技術者です。ですが、彼が設計した製品を量産するには、別の頭脳が必要です」

 「きみはカネコのことを言っているんだね」
 ロバート・グラハムはニヤリと笑った。

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「第6話「必要なのは数人の従業員と、丸の内のオフィスだけだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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