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グリー躍進、本当の理由(後編)

磁力生む田中流マネジメント

2009年10月28日(水)

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 日本のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の草分けだったGREE。だが、同期のmixiにも、後輩のモバゲータウンにも大きく引き離され、しばらくのあいだ負け組の憂き目を見た。

 ところが2007年中頃から息を吹き返したかのように成長軌道に乗り、2009年にかけて凄まじい末脚で追い上げた。先行者利益が物を言うインターネット業界において、沈まずに急浮上したグリー。強さの源泉は、秀逸な人材の獲得にあった。

 社会で実績を残し、評価された人間が集まり、それぞれが得意領域できっちりと結果を出す。そうした“プロリーマン”たちの個人技の積み重ねが、今日のグリーを築いた。

 しかしなぜ、グリーという会社はこうも逸材を惹きつけるのだろうか。なぜ、彼らのモチベーションは保たれるのだろうか。田中良和社長の人心収攬術に、その理由が隠されていた。

(前編をお読みでない方は、こちらからお読みください)

 グリーは新進気鋭のネットベンチャー。従業員の平均年齢も29歳程度と若い。念願の上場を果たし、業績は絶好調である。

 しかし、オフィスを訪れると、その勢いとは対照的に、どこか緊張の糸が張り詰めたような空気を感じる。社員は夜遅くまで黙々と仕事をこなしており、浮き足だった様子はない。

今や100人を超える大所帯となったグリーの本社。役員と社員が机を並べ、連日夜遅くまで仕事をこなしている
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 そう言えば、ある社員を個人的に飲みに誘った時、「役員が揃って遅くまで仕事をしているので、夜はなかなか抜けにくいんですよ」と断られてしまったことがある。ベンチャーなのに、随分と古いことを言うものだと思った。

 それもそのはず、この会社では、社長の田中良和自身が一番遅くまで居残ることも珍しくないほど、上がよく働くというのだ。

自ら「モーレツ社員」の範となる社長

 毎朝8時に起きて9時半に出社、会食がなければそのまま24時くらいまで働き午前2時に就寝。プライベートの飲み会は余り好まない。土曜は役員会があるので出社。日曜は家でゴロゴロしていることが多い。田中の日常である。

 グリーの社長にして、約60%の株を持つオーナー。1000億円以上の資産を有する、アジアを代表する起業家となった今でも、社員と同じ空間に机を並べ、夜遅くまで黙々と仕事をしている。要するに仕事の虫、ワーカホリックである。

 そんな田中は、この1、2年、全社員を前に、こう発破をかけることが多くなった。

 「みんな、そこそこの人生で、そこそこで楽しくて、そこそこの成長というのは目指してないよね。日本に失われつつある高度成長期を、この会社だけでやろうよ」

 自ら範を示す社長にそう言われたら、現場は「モーレツ社員」となって、ストイックに仕事と向き合うしかない。オフィスで感じた緊張の空気は、田中流のマネジメントが生み出していた。

 「グリーには上から順番に仕事をしなければいけないという不文律がある」。田中と苦楽をともにして来た副社長の山岸広太郎がそう話すように、役員に対する田中流のマネジメントは、さらに厳しい。

突っ込まれ、詰められる厳しさ味わう役員

 前編にもあるように、元同期でもある山岸と久しぶりに食事をした(双方とも会社の経費は使っていない)。その際、山岸がやたらと使うフレーズがあった。

 「少しでも手を抜いたり考えが浅かったら、すぐに田中から突っ込まれるから大変だよ」、「プレゼンの時は今でも緊張する。甘いところは、必ず田中に詰められるから」。

 「突っ込む」「詰める」――。これを口癖のように連呼する。聞けば、こんな具合で突っ込まれ、詰められるのだと言う。

 「考えが足りないよね? どうするの? こういうことは、考えたの? だいたいプレゼンするんだったら、こう資料をまとめておかないと、みんな分からないよ」

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「グリー躍進、本当の理由(後編)」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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