• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

次に不足するのは、“産業の血管”銅だ

新規開発のコストと時間とリスクが増すばかり

  • 谷口 正次

バックナンバー

2009年11月2日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 数年前から産業界では、レアメタル(レアアースを含む)の供給不安が高まって、レアメタル争奪、市況急騰、中国の輸出規制、権益確保、資源外交、といった文字が新聞・雑誌の見出しに踊り、テレビでも取り上げられて一種のブームのようになっている。

 レアメタルは中国、南アフリカなど一部の産出国に遍在しているため、モノづくり立国、技術立国を標榜する日本にとって“不都合な真実”であり、いわば産業の “アキレス腱”のようなものである。

 最近では特に、バラク・オバマ米政権発足以来、グリーン・ニューディ-ル政策も引き金になって、次世代環境対応車として電気自動車やプラグインハイブリッド車の開発競争、あるいは風力発電、燃料電池、太陽光発電などクリーンエネルギーが世界的な広がりを見せていることもレアメタル・ブームに影響を与えている。

中国の旺盛な需要

 しかし、レア(希少)ではなく、あまり遍在もしていないが、工業化社会における産業基盤となる、銅、鉛、亜鉛などベースメタルと呼ばれるものの資源事情については報じられることが少ない。

 そのベースメタルの筆頭である銅は、石油が“産業の血液”と言われるのに対して、“産業の血管”である。

 今回、銅を取り上げ、その資源事情を見てみたい。

 まず、資源専門情報誌「Mining Weekly」10月2日号の記事から、ポイントとなる部分を引用しよう。

 

世界の銅不足、2020年には1000万トンの供給不足――BHPビリトン(World short of copper, 10Mt supply gap in 2010――BHP Billiton)

 銅の供給不足が差し迫っているのに、大規模銅鉱床の新規発見が少なくなってきているばかりか、発見されても可採埋蔵鉱量として加算できるまでにますます時間がかかるようになってきている。

 世界最大の鉱業会社であるBHPビリトンの営業担当取締役、D・マーチンは言う。「2020年には1000万トン不足するという勘定になる。その数字は、現在稼働中の鉱山の供給量に、増産計画中の鉱山、現在開発中の鉱山及び新規開発可能な鉱山の生産可能量を加えて得られたものである。その不足の一部は銅スクラップで補てんされるだろうが、残りの大部分をどうやって埋めるのかが問題である」。

 銅は、自動車から兵器まで、あらゆるものに使われている。中でも、自動車関連と一般消費材関連に向けた銅販売量が最も多い。特に、中国では、送配電用地下埋設ケーブルによる銅の需要増が顕著になっている。

 現在の状況をチャンスととらえ、コンゴ民主共和国では小規模銅鉱山開発に新規参入する企業が増えている。しかし、皮肉にもBHPビリトンのようなメジャー企業は、リーマンショック以後の世界的な経済不況の中、経営破綻しないように身を守るため、コンゴのような政治的なリスクの大きい場所に投資してリスクを重ねることをいまだに躊躇している。

 南アフリカのヨハネスブルグ証券取引所に上場しているアフリカン・レインボー・ミネラルズやメトレックスのように、政治リスクがあっても投資を躊躇していないケースもある。ただし、これら南アフリカの会社によるプロジェクトは、世界最大のエスコンディーダ鉱山を含む南米の巨大な銅鉱山に比べると、大海の数滴に過ぎない。

 かつては順調であったアフリカの銅生産が南米と大きな差がついてしまったのは、ひとえに政治的不安定によるものである。

 D・マーチンは、「中国の国民1人当たりの銅消費量は4キログラムにすぎないが、2025年までには倍以上になる」と予測している。リーマンショック以後、中国の急速な消費回復に対して世界の銅生産量の伸びが鈍いために2010年には8万8000トンの不足が生じ、この需給ギャップが、投資マネー流入の引き金になり、価格が急騰すると見ている。

「資源ウォーズの世界地図」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長