新ウェブサービス「Twitter(ツイッター)」は、個人の利用だけでなく、企業の新製品発表会などビジネスシーンにも広がりを見せている。
Twitterは我々にどのようなコミュニケーションの世界を提供しようとしているのか。10月に来日した米ツイッター共同創業者のビズ・ストーン氏と、成長の核となるモバイル事業を担当するケビン・サー氏に話を聞いた。
(聞き手は日経ビジネスオンライン、戸田 顕司)
―― 2009年6月のイラン大統領選挙でTwitter(ツイッター)が現地の状況を伝える手段として大きな注目を浴びた出来事が示すように、みんながリアルタイムで情報共有できる「140文字のつぶやき」が全世界に広がっています。米グーグルの新サービス「Google Wave(グーグルウェーブ)」など、リアルタイム・コミュニケーションの動きが顕著になっています。
ビズ・ストーン(以下、ビズ) ほかの人たちがリアルタイム・コミュニケーションを手がけることについては、競争相手というよりも、みんなが同じ方向を見ていると前向きにとらえるようにしています。

Twitterは、同じ会社にいたエンジニアであるジャック・ドーシーがアイデアを思いついたのがきっかけです。ただ、その会社はポッドキャスティング(ウェブを通じたデータ配信)をメーン事業としていて、Twiiterはサイドプロジェクトに過ぎませんでした。しかし、そのままにしておくのはもったいないと考え、エヴァン・ウィリアムズと私が共同創業者として米ツイッターを立ち上げたわけです(注:この経緯については、日本のTwitter事業を手がけるDGインキュベーションの枝洋樹氏が述べている)
簡単なメッセージで情報交換できるとあって、今では新たなコミュニケーション・プラットフォームとして世界中の人が使っています。これからもっとオープンに情報交換できる場にすることで、ユーザーに世界を身近に感じさせることで影響力を高めていきたいと考えています。
Twitterは最初からモバイルを意識
ケビン・サー(以下、ケビン) ツイッターは、ほかのインターネット企業と大きく違う点があります。それは、モバイルが会社のDNA(遺伝子)として組み込まれていることです。
普通のネット企業はシリコンバレーで立ち上げて、パソコンとインターネットの世界で成功して、それをモバイルでどう展開するかを考えています。これに対して、Twitterは140文字という制限が示すように、最初から携帯電話のSMS(ショート・メッセージ・サービス)での利用を意識していました。

今まさにモバイルが全世界に広がろうとしている段階です。日本は少し事情が異なりますが、世界ではSMSがコミュニケーションツールの主流になっています。そこで、私たちはSMSを経由してTwitterが利用できる仕組みを作っている。例えば、先日もインドでこうしたサービスの開始を発表しましたが、ここには1000万人以上のユーザーがいます。モバイルで全世界に向かって「Tweet(つぶやく)」できる環境を実現したいのです。
ビズ 私たちは1つのキャリアや1つのサーチ会社に話をするのではなく、世界の全員を対象にしています。モバイルは、パソコンよりも使っている人が多いので、「Tweet」を統合できる可能性が高いというわけです。
―― コミュニケーションの利便性が高まるのはユーザーとしては望ましいことです。一方で、企業として適切な収益を出し続けなければ、ユーザーはいつまでもサービスを享受できません。ツイッターはどのような収益モデルを考えているのでしょうか。
ビズ 私たちのロールモデルとして、米グーグルがあります。グーグルも創業当初の2〜3年間は収益がありませんでした。また、「検索エンジンなんていくらでもあるじゃないか」という批判的な意見にもさらされました。
それでもグーグルは検索エンジンなどのサービス強化に努め、質の向上を図りました。この結果、大量のお金を儲けるだけでなく、ものすごい存在感がある企業となりました。私たちも同じです。お金をどう儲けるかよりも、まずは「これがないと生きていけない」という価値観を作り上げる。このことによって、企業としての永続性を担保したいと考えています。
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