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第9話「日本株式会社のエンジンを何にするのかってことだよ」

2009年11月18日(水)

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これまでのあらすじ

 ジェピーを辞めた金子順平は、豊橋にある西郷幸太の会計事務所を訪れ、団達也に会いたいと話した。東京で事務所を開いたものの、開店休業状態にある達也は、西郷に呼ばれてすぐに豊橋に向かった。

 金子は自ら持ち出したロボットの制御プログラムを収めた携帯用ハードディスクを2人の目の前に置いた。夜も寝ずに書いたプログラムを自分のものだと言い張ったが、達也はジェピーに返すべきだと諭した。

 西郷は、達也に日豊自動車を買わないかと持ちかけた。西郷は創業者の日野原五郎が粉飾決算をしていることを知っており、達也はそのことを承知の上で日野原に会おうと考えていた。達也は自動車産業は「宝の山」だと考えていた。

MTC社

 「ちょっと待って。トヨタ自動車、BMW、ホンダ、フォードが撤退して、残るのはフェラーリだけになったらもうF1じゃあないわ」

 真理が意外と自動車レースに詳しいことを知って、達也はうれしくなった。自動車はただの移動手段ではない。最近は、自動車に興味を持たない若者が増えたと言われているが、それは正しい見方ではないと達也は思っている。

 自動車があれば、便利だし、行動半径は飛躍的に広がる。都心に住んでいても、1、2時間ドライブすれば、アウトドアスポーツも、四季折々の景色や山海の旬の味も楽しめる。自動車は必要なのだ。問題はお金がかかりすぎることだ。自動車がもっと安く買え、高速代がタダになり、燃料費が半分以下になったとしたら、世の中のお金の流れは大きく変化するに違いない。そうした世の中に向かって日本は走り始めた、と達也は考えている。

 「でもF1に参加すること自体がムダだから、撤退するのは当然よね」
 と、真理が言った途端、達也が怒りだした。

 「真理ちゃん。新聞をもっとしっかり読んでほしいな。F1はムダではないよ。こんなに短期間で自動車の性能が向上したのは、レースを通して各社が技術を磨いてきたからなんだ。そういう場を提供してきたのがF1だった。トヨタやホンダがF1から撤退したことが問題なのじゃあない」
 達也は真っ赤な顔で力説した。

 「よく聞いてほしい。もしF1の使命が終わったとしたなら、ガソリンエンジン車の開発が止まるということなんだ。この仮説に立てば、ボクらは、今後の日本の経済はどうなるか、関心を持たなくてはいけない」

 真理には達也が何を言いたいのか見当がつかなかった。それに、達也の瞬間湯沸かし器のような反応に、真理もカチンときた。

 「それって自動車業界の話で、私たちには関係ないわ」
 すると、達也はがっかりした表情でこう言った。

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「第9話「日本株式会社のエンジンを何にするのかってことだよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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