「財務3表で読み解くニュースな企業」

会社の数字をザックリつかむコツ

【財務分析講座】図を使って直感的に把握する

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2009年12月1日(火)

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 前回のコラムで説明しましたように、会計の初心者が財務分析をする場合には見るべきポイントがあります。しかし、見るべきポイントがわかったからといって、そのまま財務諸表の細かい数字を追っていくことはお勧めしません。

 私たち会計の初心者が財務諸表を分析する場合、財務諸表の数字を直接読み解くのではなく、少し手を加えて図にすることによって、多くの情報を瞬時に直感的に把握できるようになります。

 これから提案する図は、膨大な数字が羅列してある財務諸表から必要かつ最低限の情報を抜き出し、イメージで会社の状況を直感的に把握できるようにしたものです。ではこれから提案する図の形を説明しながら財務分析をしていきましょう。

JALを例に図解してみる

 下の図はいま話題になっている日本航空(JAL)の2008年度(2009年3月決算期)の財務3表を表したものです。図の特徴を説明しながら、JALの財務諸表を分析していきましょう。

この図は「CD-ROMでスラスラわかる財務3表一体分析法ソフト『図解の達人』 」をお使い頂ければ簡単に作れます

 この図はPLとBSから必要最低限の数字を取り出して、それぞれの金額の多寡が直感的に把握できるように縮尺を同じにしたものです。この「縮尺が同じ」という点が今回提案する図のとても大切なポイントです。BSは流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産、利益剰余金などの主要な項目だけを表示しています。

 BSで注意しておいていただきたいのは純資産の部です。純資産の部の中の利益剰余金だけを取り出して、純資産の部の内数としてその額を表記しています。利益剰余金の額を見ればその会社が過去に利益を積み上げてきたかどうかがわかります。JALの利益剰余金はマイナスになっています。利益剰余金がマイナスであることがわかるように、BSの右側に基準線の下側にくるように表記しています。

 有利子負債はBSの右側に取り出して点線の枠で囲って表記しています。有利子負債とは利子を支払わなければならない負債、つまり短期借入金、社債、長期借入金、リース債務などです。そして、この有利子負債のうちで流動負債に入るものと固定負債に入るものとの比率がわかるように配置しています。PLの方は売上高と粗利と営業利益と当期純利益の4項目だけを表記しています。

 BSの中にある%表示とPLの中にある%表示には違いがありますので注意してください。BSの中にある%表示は総資本の額を100%とした時の比率を表していて、PLの中の%表示は売上高を100%とした時の比率です。

 では、このフォーマットを使って早速、財務分析をしてみましょう。

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著者プロフィール

國貞 克則(くにさだ・かつのり)

1961年生まれ。1983年東北大学工学部卒業後、神戸製鋼入社。海外プラント輸出、人事、企画などを経て、96年米クレアモント大ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年、ボナ・ヴィータ コーポレーション設立。中小企業を中心にコンサルティング活動を行っている。主な著書に『財務3表一体理解法 』、『財務3表一体分析法 』、『家計3表生活防衛術 』、『財務マネジメントの基本と原則 』、『20代に考えるべきこと、すべきこと』ほか多数。最新刊は『決算書でよむ企業と業界力



このコラムについて

財務3表で読み解くニュースな企業

このコラムは、会計に苦手意識を持つ人のためのものです。会計の素人のための財務分析講座です。財務分析といっても流動比率や自己資本比率などの財務分析指標を説明するものではありません。財務諸表から会社の状態を読み解くコツを説明するものです。つまり、財務諸表のどこを見れば何がわかるのかを説明していきます。会計分野に深い知識がなくても財務諸表を読み解くことは可能です。このコラムを執筆する私自身が元々機械エンジニアですし、いままでに仕訳の勉強をしたこともありません。そんな会計の素人でも財務分析のポイントさえわかっていれば、財務諸表から会社の状態を読み解くことができます。

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