• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

赤字ドワンゴの行方
夏野氏が語る「ニコ動」黒字化計画

2009年11月20日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 夏野 キャッシュフローに問題があったら別よ。黒字化しないと事業の継続ができなくなるから。だけど、この会社の場合、キャッシュフローがふんだんにある。そうしたら、黒字化よりも、事業に競争力がちゃんとあるかどうかが一番大事になってくる。

 それでも、単月黒字化は今期の下期(2010年4月~9月)中にやろうと思っているから大変なんです。コストが上がっていくのに、それよりも激しい伸びで売り上げを立てなきゃいけないので…。

◇   ◇   ◇

 大量のデータを扱う動画サイト事業は、体力がモノを言う。体力がなければ淘汰、あるいは大に飲み込まれる運命にある。

 海外でも国内でも、巨艦グーグル率いる「YouTube(ユーチューブ)」の前に出る者はいない。USENの「GyaO!(ギャオ)」はヤフーに買われ、この9月、「Yahoo!動画」と統合された(ブランドはGyaO!を継承)。

 その中にあってニコ動は、確かに夏野取締役の言う「競争力」を維持している。グーグルとヤフーという2大巨頭の向こうを張って強烈な個性を放ち続け、数字でも健闘しているのだ。

平均訪問回数、平均利用時間で国内首位

 今年8月まで、ニコ動はヤフー動画を抑え、国内2位の集客数を誇る動画サイトだった。GyaO!とヤフー動画が統合した9月は、YouTubeの月間訪問者数が2248万人、GyaO!が1190万人、ニコ動が800万人と3位に落ちた。

 だが、動画サイトの価値を測る指標は訪問者数だけではない。月間に同一人物がどれだけ再訪したかを示す平均訪問回数、月間に同一人物がどれだけの時間滞在したかを示す平均利用時間といった指標で、ニコ動はGyaO!を大きく引き離し、YouTubeすらも交わしている。

 ドワンゴは今年、この競争力を補完したある新たな仕組みに、多大な投資を振り向けた。「ニコニコ生放送」である。

 ニコニコ生放送は、その名の通り、ライブで動画を配信する試み。2007年12月から実験的に始まった「ニコ生」は今年、番組数、視聴者数ともに大きな飛躍を遂げた。運営側が番組を制作する「公式生放送」の番組数は今年1月時点で月間12本、視聴者数は月間20万人だったが、9月時点では番組数が月間55本、視聴者数が月間90万人に増えている。

 今年5月には、ニコ生初の帯番組「とりあえず生中」を開始。お笑い芸人の次長課長や陣内智則、アイドルの優木まおみといった芸能人を起用したバラエティ番組を月から金の午後9時から生放送で届けている。

 7月には、浜田雅功、梅宮辰夫、GACKT、はるな愛といったタレントを集め、12時間ぶっ続けの生放送を企画。8月の総選挙時には、各政党の本部から多元中継で開票速報を行った。また、8月からはプロ野球「楽天イーグルス」の試合の生放送を開始。18試合の生放送を延べ80万人が視聴した。

「生放送は、今までのネットの歴史に反している」

楽天イーグルスの生放送では、18試合で延べ560万ものコメントがついた
画像のクリックで拡大表示

 もちろん、画質や個々の番組の視聴者数は地上波のデジタル放送にかなわない。だが、放送枠が限られたテレビとは違い、ニコ動には低コストでいくらでも番組枠を増やせる機動力がある。リアルタイムに付けられるコメントで、全国の視聴者と一体感を共有できるという武器もある。

 例えば、楽天イーグルスの試合では、てっぺいが打席に立つと、一斉に「てっぺえええええええええええ」といったコメントが弾幕のように流れる。ただ観るのではなく、参加しながら観るという面白さ。これが、ニコ動の集客と活性化に一役買っているのだ。

岡田克也外務大臣の定例記者会見もノーカットで生中継。毎回、視聴者からの質問を1問選び、記者会見でぶつけている
画像のクリックで拡大表示
11月17日午前4時から始まったスペースシャトル「アトランティス」の打ち上げ生中継では、2万1000人が視聴し、10万件のコメントを寄せた
画像のクリックで拡大表示

◇   ◇   ◇

 夏野 生放送という概念は、今までのネットの歴史に完全に反しているんです。ネットは、回線の性質上、テレビのようなマスへの生放送には向いてないけれども、双方向性が高い。だから小規模な集団へのオンデマンド放送に向いている。これが定説だったんですよ。ところが、実は小規模な集団への生も面白いということに気づいた。

 言われてみれば、ライブコンサートで1万人以上の規模って少ないし、世の中では200人のお客さんを前にライブをやっているアーティストや芸人さんだっているわけだから、小規模でもライブって面白いはずなんです。ライブとマスは、実は切り離して考えられるんだということに、なぜか誰も気が付かなかったんですよね。

コメント2件コメント/レビュー

Googleは日本法人が出来る前から利用していましたが、最初はただの精度の高いロボット型検索エンジンの一つでしかなく、それほど異質だったとは思いませんでした。あの何の飾りもない極めてシンプルなトップページが(通信回線の遅いあの頃は)使いやすかった事や、検索の早さ(精度的にはAltaVista等他にも候補があった)などシンプルさを追求したことが、当時人気を集めたのだと思っています。◆逆にGoogleは、大きくなるほどどんどんと異質になってしまった感じがします。今やメインの検索サービスでも不要な予測検索が多くて使いづらくなってしまう等、歪さが目立つようになりました。旅行とウェブサーフィンの楽しさをアピールする事に特化したトップページ作りのBingに魅力を感じるようになってきた今日この頃。サービスの拡張も重要ですが、ユーザーが何に魅力を感じているかを忘れてしまうと輝きは失われてしまうように思います。(2009/11/20)

オススメ情報

「逆風の企業戦略」のバックナンバー

一覧

「赤字ドワンゴの行方
夏野氏が語る「ニコ動」黒字化計画」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

Googleは日本法人が出来る前から利用していましたが、最初はただの精度の高いロボット型検索エンジンの一つでしかなく、それほど異質だったとは思いませんでした。あの何の飾りもない極めてシンプルなトップページが(通信回線の遅いあの頃は)使いやすかった事や、検索の早さ(精度的にはAltaVista等他にも候補があった)などシンプルさを追求したことが、当時人気を集めたのだと思っています。◆逆にGoogleは、大きくなるほどどんどんと異質になってしまった感じがします。今やメインの検索サービスでも不要な予測検索が多くて使いづらくなってしまう等、歪さが目立つようになりました。旅行とウェブサーフィンの楽しさをアピールする事に特化したトップページ作りのBingに魅力を感じるようになってきた今日この頃。サービスの拡張も重要ですが、ユーザーが何に魅力を感じているかを忘れてしまうと輝きは失われてしまうように思います。(2009/11/20)

確かにニコ生で尖ったユーザーの支持を集めて、課金モデルを伸ばしたのは素晴らしいのですが、逆にそれが広告出稿の足枷になっているように思えます。Googleは幅広いユーザーを獲得したから広告配信の場としての魅力が高まったのとは、実は逆行していませんか?(2009/11/20)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

時間をかけて、そばに置いて付き合わないと、本当に好きなのかどうかは分からない。

中尾 浩治 テルモ元会長