• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

episode:34
「何かを起こすことができるのは行動だけなのだ」

  • 阿川 大樹

バックナンバー

2009年11月24日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

12年ぶりに大日本鉄鋼に戻った旭山隆児(あさひやまりゅうじ)の新部署、第三企画室の陣容は、風間麻美(かざまあさみ)と楠原弘毅(くすはらこうき)と旭山の総勢3名だ。悪化する本社の財政事情を聞いた旭山は、状況を逆手にとり部署の独立を決断する。新会社の名称はオルタナティブ・ゼロと決まった。風間麻美の役職は、第三企画室室長だ。

 茅ヶ崎南製作所は、親子二代、職人オーナーによって営まれてきた機械加工を専門とする会社だ。
 平野社長も、津久井さんも、腕のいい職人であり、高精度の金属製品を作るすばらしい技術をもっていた。

画像のクリックで拡大表示

「風間さん、それ触ってみてください」

 テーブルの上に美しく磨かれた丸い金属があった。

「きゃあっ」

 手を伸ばすと、突然、その金属の塊はするりと手から逃げて床に落ちた。
 わたしは、思いもよらず小動物を触ってしまったように、小さな悲鳴をあげてしまった。

「置いてあるだけだと思ったでしょう? 回っているように見えない。でも、これ、独楽なんです。ほら」

 床の転がった独楽を拾い上げた平野社長は、わたしの反応を見て笑った。
 テーブルに置いてあった丸い金属は、実はステンレスでできた独楽{こま}だったのだ。その独楽は回っていて、わたしが側面に触れたことで、こんどは指の周りをするりと回って弾かれるように離れ、床に落ちたのだった。

「ただの独楽みたいですけど、胴体も軸も誤差10ミクロン以下でできているんです。そもそも完全な鏡面に仕上げられているので、独楽本体が回っていても、そのように見えないでしょう? ずっとぶれずに同じように周囲の光を反射しています。軸のブレもありませんから、回っている最中の輪郭もくっきりして見える。つまり、これだけ精度がいいと本当は回っているのに動いていることがわからないんです」

「ほんとにびっくりしました。丸くてピカピカで、ふつうに天井の蛍光灯が映っているので、丸い文鎮かなんかだと思いました。やけにピカピカだとは思いましたが、まさか回っていたなんて」

「すごいでしょ」

「でも、平野社長、いつのまにこの独楽を回したんですか」

「あなたがお部屋に入っていらっしゃる前です」

「だって、それからお茶を出して頂いて……10分やそこら経っていますけど……」

「放っておけば一時間だって回っています」

「ええっ!?」

 そんなに長く回る独楽なんて見たことがない。

コメント0

「第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。

澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長