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オバマ核軍縮ビジネスモデルと原発産業(その1)

――華僑系ノーベル賞物理学者、スティーブン・チュー米エネルギー長官

2009年11月25日(水)

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 バラク・オバマ米大統領はアジア歴訪の中、最初に訪れた東京・サントリーホールで11月13日に「東京演説」(あるいは「アジア演説」)と呼ばれるスピーチを行いました。これに関連して今回と次回お話してみたいと思います。というのも、米国にとって、とても重要と思われるポイントについて、日本国内の報道でピントの合った解説がなされていないように思うからです。

 ホワイトハウスのウェブサイトで公開されている、オバマ大統領の演説を順次追ってゆくと、いくつかあからさまに分かることがあります。とりわけ4月5日の「プラハ演説」(米国大使館による日本語仮翻訳版)、6月4日の「カイロ演説」(米国大使館による日本語仮翻訳版)、そして11月13日の「東京演説」(ホワイトハウスによる日本語翻訳版。興味を持たれた方は、以下を読み進められる前に、ぜひクリックして全体を一瞥していただければと思います。ちなみに中国語版なども準備されていて、言葉により相手国により微妙に表現を訳し変えられているのが気になります・・・)。

 そこそこ短くない「オバマ・東京演説」ですので、今回と次回は焦点を1つに絞ります。鍵となる言葉、それはオバマ大統領が何気なく使っている「エネルギー安全保障」です。演説の原文を引いてみましょう。

 アジア太平洋地域の新興国、開発途上国なしでは、私たちのエネルギー安全保障と気候の挑戦に対する解決策はありえません。

 And there can be no solution to our energy security and our climate challenge without the rising powers and developing nations of the Asia Pacific.


 こうした表現の適切な解釈~アセスメントが、日本国内では全くできていないように思われるのです。

国連世界物理年:スティーブン・チューとの出会い

 しばらく前のことになりますが2005年、アルベルト・アインシュタインの「相対性理論」などから100年目に当たる年、国連=ユネスコはこの年を「世界物理年」に制定して、世界中でいろいろな行事が行われました。私は日本委員会の委員になるよう委嘱を受け、幹事としていくつかの仕事をしましたが、面倒なこともありました。

 例えば4月のアインシュタインの命日には、世界中を1本のレーザー光で結ぶというイベントが開かれました。ちょうどオリンピックの聖火リレーと同様で、国内あちこちの反射鏡でレーザーをつなぎましょう、という企画です。日本国内でも北から南まで、大学研究機関が協力して仕事をしましたが、困ったのは韓国物理学会でした。一部の右派物理学者が「『独島』(竹島)を1つの中継点にするのだ」と言い出し、実際に漁船を出してレーザー光の分岐が島まで導かれました。国際委員会はそれを正当なものと認める、認めないで紛糾します。純粋理学の最右翼のようにも見られやすい物理学は、実は国際社会では生臭いことにしばしば使われるのです。

 その典型的なものが核、原爆や水爆など、原子力兵器でしょう。ほかならぬアインシュタイン自身がその渦中に置かれ、懊悩(おうのう)深い晩年を送らざるを得ませんでした。

 幾度かこのコラムにも書いた話で恐縮ですが、私はこの時に担当幹事となって「春の公式行事」として、4人のノーベル賞受賞者をお呼びして、深いレベルからの「アート&サイエンス」の催しをしました。参加してくださったのは楊振寧(1957年ノーベル物理学賞受賞者)、ジェローム・フリードマン(1990年ノーベル物理学賞受賞者)、トールステン・ヴィーゼル(1981年ノーベル医学生理学賞受賞者)、そしてスティーブン・チュー(1997年ノーベル物理学賞受賞者)の4人の科学者で、このうち物理学者である楊、フリードマン、チューの3氏には、キーノート・スピーチのメール上での打ち合わせを同報で行い、結果的に競っていただいて、極めて充実した記念講演を3本準備することができました。

 大科学者の先生たちを相手に競わせるようなことをさせてしまいましたので、皆さん「大変な目に遭った」と言いつつ「久しぶりにスリリングで楽しい場が持てた」と最後には喜んでくださいました。一番最初に一番短いプレゼンテーション資料を送ってきたスティーブンは、その後に大先生たちが巨大な作品を次々に出してきてしまったので、一番最後になって「これでは格好がつかないから差し替えさせてくれ」ということで、力作を作り直してくれ、本番前日の深夜にホテルオークラまでUSBメモリーを持って新しいプレゼンテーションファイルを取りに行ったのを懐かしく思い出します。

スティーブン・チューのエネルギー政策

 スティーブンは「レーザークーリング」~「原子トラッピング」という技術を開発したパイオニアで、1997年にノーベル物理学賞を受賞した物理学者です。原子を1つひとつ取り出して、それを裸のまま取り扱えるようにした、画期的な技術で、物質世界の本質的探求に大きな道を開く仕事をしました。

コメント2件コメント/レビュー

核兵器の廃絶に伴う核の安全利用の話をされるということでしょうか。個人的には、まだまだ最終処理が安全といえる状況でない中で、核の利用が進んでいることを懸念しているので、安全利用の拡大はこわいなというのが率直な感想です。▼たしかに軍事技術の開発は、もっとも科学技術を発展させてきました。そういう意味では、兵器を減らすために造にかかわったのと同様かそれ以上の予算を投入して技術開発するという状況が生まれれば、安全利用も高まるのかもしれませんが・・・。(おやさん)(2009/11/25)

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いただいたコメント

核兵器の廃絶に伴う核の安全利用の話をされるということでしょうか。個人的には、まだまだ最終処理が安全といえる状況でない中で、核の利用が進んでいることを懸念しているので、安全利用の拡大はこわいなというのが率直な感想です。▼たしかに軍事技術の開発は、もっとも科学技術を発展させてきました。そういう意味では、兵器を減らすために造にかかわったのと同様かそれ以上の予算を投入して技術開発するという状況が生まれれば、安全利用も高まるのかもしれませんが・・・。(おやさん)(2009/11/25)

さすがにこういう観点の論議は伊東先生ならではですね。自分が何も知らないという事を知りました。常に常識の源流というのは無知を自覚する所からなんでしょうね。次号も興味深くお待ちします。それから、ちょっとファンタジーと言われるかもしれませんが、いわゆる石油利権のような世界的支配権力を握っている方々によって、本質的なエネルギーの開発は握りつぶされてきたという「噂」があります。(Xファイルを握りつぶす黒服の男のような?)でも段々とそういう事も続かなくなって、裏の支配集団も次の利権・支配構造への移行を始めたというストーリーはどうでしょう?(目指せ!常温核融合)(2009/11/25)

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