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第10話「経済発展が見込めない国に工場を作ってもビジネスにはならない」

2009年11月25日(水)

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これまでのあらすじ

 ジェピーを辞めた金子順平は、ロボットの制御プログラムを記録した携帯用ハードディスクを会社から持ち出していた。夜も寝ずに書いたプログラムは誰の者でもない、自分のものだと思い込んでいたからだった。

 しかし、その話を聞いた団達也は、それはジェピーに返すべきだと諭した。

 ジェピーを手中に収めたアメリカの大手電子部品メーカー、UEPC社のCEO、マイケル・ウッズはジェピーに技術者を送り込み、ロボット技術をはじめ、あらゆる知的財産の調査を終えていた。ウッズはジェピーを解体し、特許権の管理会社にしようと目論んでいた。

 豊橋で会計事務所を開いた会計士の西郷幸太は、自動車部品会社、日野原工業を買わないかと達也に持ちかけた。西郷は創業者の日野原五郎から会社を「安楽死させてほしい」と言われていた。西郷は、日野原が粉飾決算をしていることを見抜き、達也はそのことを承知の上で日野原に会おうと考えていた。達也は自動車産業は「宝の山」だと考えていた。

ニューヨーク マンハッタン

 「日本への投資を見合わせようと思っている」
 UEPC社の会長、マイケル・ウッズは唐突に切り出した。

 「撤退ですか?」

 ジェピー社長のピーター・オルセンは思わず耳を疑った。あれほど用意周到に進めていた日本進出計画を凍結しようというのだ。せっかく本社を一度移転した蒲田から丸の内に移したのに、それでは水の泡になる。家族も“クールジャパン”の魅力の虜になったというのに…。

 「日本に明日があるのだろうか? 私は疑問に思い始めたんだよ」

 ジェピーの経営権を握ってから、マイケル・ウッズは日本のニュースを詳細に追っているようだ。ピーターは、マイケルが昨日の日本に関する経済記事を読んだのだなと思った。

 「つい最近日本政府高官は、「穏やかなデフレ」であることを認めました」

 「そこなんだ。私は経済学者じゃあないが、デフレがどんなに危険な状態かは知っている。ちょうど服を着たまま泳ぐようなものだ」

 「つまり手と足を懸命に動かしても、前に進まない…」
 「そのうち力尽きて沈んでしまう」

 ピーターはマイケルの考えが少し見えてきた。
 「つまり、そんな経済発展に希望が持てない国に工場を作ってもビジネスにはならない、と思っておられる…」

 マイケルは微かにうなずいてこう続けた。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第10話「経済発展が見込めない国に工場を作ってもビジネスにはならない」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官