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episode:35
「ニーズがあることと売れることは同じではない。顧客にサービスを届ける方法が重要なのだ」

  • 阿川 大樹

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2009年12月1日(火)

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前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社、オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。新規事業として風間が手がける、茅ヶ崎南製作所の案件は佳境に入りつつあった。

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 風間が室長として最初の会議を招集した。

「すみませんが、今日はみなさんのお知恵を借りて、茅ヶ崎南製作所のビジネスモデルを実行に移すためのツメをやらせてください」

「結局、難しいのは、どうやって売っていくかってことですよね」

 楠原がすぐにポイントを提示した。

 そう。茅ヶ崎南製作所の今までのファンクションはそのままでいい。

 会社のもっている力を、製造業の下請けとしてではなく、欲しいものを作ってくれるサービスとして売る。そのことで不況を克服できる力をつけようというのが、製作所とオルタナティブ・ゼロの合意した考え方だ。

 ガレージ村の人たちのように、簡単に手に入らないものを作ってくれる〈自分の〉工場があれば喜ぶ人はたくさんいるはずなのだ。

 ニーズは確実にある。それには確信がある。だが、ニーズがあることと売れることは同じではない。ビジネスでは顧客にサービスを届ける方法が重要になる。

 いよいよ新しいビジネスモデルを掲げて活動を開始する前に、もういちど社内でブレイン・ストーミングをしたいというのが風間の考えだ。

 増資にあたって、茅ヶ崎中央信金向けに出した事業計画は、多分に一般論だ。

 本当に優秀な金融マンなら、もっと詳細なビジネスモデルを要求しただろうが、大日本鉄鋼が資本提携するというだけで、いきなり書類は形式的なものになった。そもそもベンチャービジネスの可能性について、審美眼のある人間がいないのだ。地方の信用金庫に限ったことではなく、困ったことにメガバンクにあってさえ。

「気になるのは、たぶん買い手の方に『ないときには作ればいい』と考える習慣がないんってことだよなあ」

「弘毅くんもそう思いますか? 私自身、父親の形見のバイクに乗ると決めたとき、自分で直すという発想はなかったのだけど、理科系の楠原くんですら、そう思うのなら、やっぱりそうなのでしょうね」

「いままで、そういうサービスがなかったんですから、そういうことを思いもよらないのも当然です」

「たとえば部品が手に入らないから作りたいと自然に思ってくれるなら、〈どうやって〉ということになる。そうすれば、ここにそれがあるじゃないかと探してくれるようになる」

 いや、探してくれると考えるのは楽天的に過ぎるかもしれないけれど、それはまた別の議論をすればいい。

「自分で作るという発想自体はありますよね」

「ホームセンターや東急ハンズで、工具や材料を買う人はいます。昔ならいわゆる日曜大工。今の言葉でいうとDIY。どこもそこそこ流行っている。プロが使うような道具のコーナーにも、明らかな素人が来て、何か自分でできないかとじっと見ていたりします。僕なんか、工具やサイズごとにずらりと並んでいるネジなんかをみていると、けっこうワクワクします」

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