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第13話「利益が出て粗利率がよければ銀行はお金を貸してくれますから」

2009年12月16日(水)

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これまでのあらすじ

 日野原工業創業者の日野原五郎は、豊橋で会計事務所を率いる西郷幸太に自らがガンに侵されていることを告げ、会社を安楽死させてほしいと依頼していた。

 細谷真理と2人でMTC(Management and Technology Consulting group)社を立ち上げた団達也は、西郷と一緒に日野原工業のデューデリジェンスを始めた。達也は、日野原工業を買い取って電気自動車の会社に生まれ変わらせようという野心を抱いていた。

 デューデリジェンスの過程で、真理は日野原工業の粗利率が高すぎることに気づいた。西郷の計算によると、15億円が製造原価から一般管理費に振り替えられていた。

日野原工業

 会議室に姿を現した日野原五郎は、経理部長の間宮清二が押す車椅子に乗ったまま、やせ細った体を深々と折り曲げてこう切り出した。

 「どうしても皆さんに伝えたいことがある、と病院の先生の目を盗んで抜け出してきたんです」

 日野原の声は思いのほか弱々しかった。

 「そうでしたか…」
 西郷は恐縮して頭を深々と下げた。

 (前に会った時は、まだ一人で歩けたのに…)

 「腰の痛みがひどくなりましてね」
 痛さのせいか、日野原の黒ずんだ顔が大きく歪んだ。

 「なぜこんなに痛むのか、主治医の先生に聞いたんですよ。なんでも、ガンが大きくなると膵臓の周りの神経を圧迫して、腰や背中の痛みを引き起こすそうなんです。認めたくはありませんが、長くはないですな」

 そんな老経営者を見て、西郷は「確かにそうかもしれない」と思わずにはいられなかった。
 「こちらが先日お話した、団さんです。それから細谷真理さん。財務状況と法律関係について調査させていただいています」

 日野原はかすれた声で達也に向かって言った。
 「この会社は私の子供みたいなものです。団さん、よろしく頼みますよ」

 達也は何と返事をすべきか戸惑いを覚えた。この会社を買いたい気持ちはある。日野原工業が持つさまざまなネットワークに魅力があるからだ。だが、旧来のビジネスをそのまま引き継ぐつもりはない。しかも、日野原工業は粉飾をする信用ならない会社だ。そんな達也の戸惑いを感じ取った間宮が神妙な顔で口を開いた。

 「実は社長は明後日が手術なんです。執刀医の先生によると成功の可能性は50パーセント…」
 すると日野原は「間宮、そうではないだろう」と言って、こんな話を始めた。

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第13話「利益が出て粗利率がよければ銀行はお金を貸してくれますから」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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