• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【最終回】社長と社員が共に自己実現をめざす『第三の経営』

ディス・イズ・ジャパンウェイ(2)

  • 武田 斉紀

バックナンバー

2009年12月21日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回のコラム、「第11回 日本企業は、日本らしい『第三の経営』をめざせ」では、長らく外の世界を知らなかった日本企業が、欧米、特に米国の考える経営の影響を大きく受けてきたこと。中でも理念やポリシーを明確にもっていなかった企業は妄信してしまったことに触れました。

 前回のコラムから読み直したい方はこちらから

 バブル期、いえ高度成長期にはすでに始まっていた『第一の経営:利益至上経営』。そして第一の経営の次なる姿として、同時に人間がもつ次なる欲求として発生した『第二の経営:名誉追求型経営』

 しかし、これらの経営では満たされない人間本来の欲求がありました。心理学者マズローが『欲求5段階説』で最後にあげた「自己実現の欲求」です。今回は、自己実現をめざす『第三の経営』についてお話ししていきます。

問題は、利益と名誉の追求ではなく、経営の暴走

 『第三の経営:自己実現型経営』では、利益や名誉を求めてはいけないと言っているわけではありません。利益がなければ従業員に給与をしっかりと払って雇用を維持することもできないし、事業への次なる投資も、株主への還元もできません。利益なくして経営なしです。

 賞賛を浴びる、特別な賞を与えられるといった名誉も、「社会の役に立ちたい」という自己実現にとっては、わかりやすいバロメーターなのかもしれません。

 利益や名誉をめざすことが経営者にとっての原動力となり、戦後日本の復興や成長につながったことも無視はできません。これにより敗戦国・日本は豊かになれたのです。

 問題は利益や名誉の追求に暴走してしまうことにあります。経営の暴走は、巻き込まれた従業員を疲弊させ、1970年代に発生した公害問題など、社会に深い爪痕も残してきました。バブル崩壊やリーマンショックでは、大いに儲けた一部の人たちの陰で、多くの人が路頭に迷いました。

理念やポリシーで暴走を食い止めたからこそ、老舗企業

 『第7回 景気回復を遅らせている日本の「あうん」経営』でも書きましたが、世界中で250年続いている企業の3社に2社は日本企業です。200年以上の企業が約1000社、100年以上は約2万社も存在します。

 世界一の「老舗大国」日本の発展をこれまで支えてきた企業も、利益は追求してきました。ただ彼らには信じる理念やポリシーがあって、それを頑なに守り続けることで、利益や名誉の追求に経営が暴走することを防いできたのです。

 「顧客や社会の満足を超えて儲けることは、結果として信頼を失うことになり、会社として長続きしない」。老舗企業の経営者たちの経営上の戒めは、家訓や社是の言葉となって引き継がれていきました。

 日本の老舗企業は、現在のコンプライアンス(法令順守)のように、自らを戒める“守り”のためだけに言葉を引き継いできたのでしょうか。いいえそうではありありません。彼らにはそれぞれ実現したいことがあって、実現を邪魔する心が芽生えないように、そして実現に向けて邁進するために、家訓や社是を定めていたのです。

 もう一つの特徴は、家訓や社是が経営者だけのものではなく、全員に伝えられ徹底されていたという点です。理想を掲げて、社長と社員が共に自己実現をめざしてきました。

コメント1件コメント/レビュー

私の会社は250名の製造業を営む中小企業です。今年4月に新入社員を10人雇い、他の会社から管理者を数人雇いながら、10月には何十年も勤務した40歳以上の人達を中心に30人余りをリストラしました。昨年から売上減少は予測し、社員の給与カットなどを実施。銀行が介入し決算書の上で改善を狙う為に行ったようでした。”今いる社員で何とか乗り越えよう!”など話しは一切なく、反対に外部の管理者(一流企業を退社した管理者)により会社を変えようとしている雰囲気が漂っています。私は、今ある資源を有効活用するしか現状を打破することはできないと考えております。近年、会社の業績が悪化し組織の体制を見ると、社長を初め管理者のマネジメント不足を補う為に、取巻きをそろえている様にも見えます。上司からは”責任・結果”と何かと追求されるが、この会社の業績が悪い責任は追求できない親族会社の悩みです。この会社を本当によくしたいのなら、真剣に社員の幸せを追求したいと私は考えています。こういう業績が悪化した時に、社員への気持ちが分かります。たとえ苦しくても魅力がある会社(社長)や上司なら、社員は必ずやります。応えます。そう私は考えています。会社は経営してみないと分からないことが沢山あると思います。自分の理想と現実がどこまで世間に通じるのかとても不安です。しかし、このコラムを見ると勇気付けられます。同じ気持ちの人間を増やすことが組織形成には重要ですね。(2009/12/21)

「武田斉紀の「企業理念は会社のマニフェスト」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私の会社は250名の製造業を営む中小企業です。今年4月に新入社員を10人雇い、他の会社から管理者を数人雇いながら、10月には何十年も勤務した40歳以上の人達を中心に30人余りをリストラしました。昨年から売上減少は予測し、社員の給与カットなどを実施。銀行が介入し決算書の上で改善を狙う為に行ったようでした。”今いる社員で何とか乗り越えよう!”など話しは一切なく、反対に外部の管理者(一流企業を退社した管理者)により会社を変えようとしている雰囲気が漂っています。私は、今ある資源を有効活用するしか現状を打破することはできないと考えております。近年、会社の業績が悪化し組織の体制を見ると、社長を初め管理者のマネジメント不足を補う為に、取巻きをそろえている様にも見えます。上司からは”責任・結果”と何かと追求されるが、この会社の業績が悪い責任は追求できない親族会社の悩みです。この会社を本当によくしたいのなら、真剣に社員の幸せを追求したいと私は考えています。こういう業績が悪化した時に、社員への気持ちが分かります。たとえ苦しくても魅力がある会社(社長)や上司なら、社員は必ずやります。応えます。そう私は考えています。会社は経営してみないと分からないことが沢山あると思います。自分の理想と現実がどこまで世間に通じるのかとても不安です。しかし、このコラムを見ると勇気付けられます。同じ気持ちの人間を増やすことが組織形成には重要ですね。(2009/12/21)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長