• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

episode:38
「彼らは、バンドをやっていることを誰かに褒めてもらいたいのだ」

  • 阿川 大樹

バックナンバー

2009年12月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

老舗 大日本鉄鋼の3人だけの部署、第三企画室は新会社、オルタナティブ・ゼロとして独立した。旭山隆児(あさひやまりゅうじ)は社長、風間麻美(かざまあさみ)は第三企画室室長、楠原弘毅(くすはらこうき)は次長だ。風間の案件が佳境に入りつつのを片目に、楠原は焦りを感じ始めていた。

 野毛で飲んだくれた風間さんと僕は、いつものように、ほろ酔い気分で桜木町駅に向かっていた。

画像のクリックで拡大表示

「渡れる!」

 駅に向かう最後の交差点で、よせばいいのに、点滅し始めた青信号を見て、風間さんが走り出した。

 6車線の広い道路を渡り終わる直前、何の予備動作も見せず、赤ん坊のようにバタンと倒れ込んだ。

 スタートで置いていかれて、やっと追いつきそうだった僕は、転んだ彼女を追い越してしまう。

 渡りきったところで振り返る。

 道路に倒れている風間さんが見えた。

 叫ぶ間もなく、信号が赤に変わった。

 信号待ちをしていたタクシーがアクセルを踏み込む音がした。風間さんが倒れているのはそのすぐ前だ。

 最悪の映像が頭を駆け巡った。

 タクシーは発信しかけたところで急にフロントをダイブさせて止まる。

 クラクション。

 後続車も次々に急ブレーキをかけたらしい。

 タイヤの軋む音がしたと思うと、クラクションの連鎖がブーイングの大合唱を引き起こした。

 音に驚いた周囲の人たちの視線が、否が応でも風間さんに集まる。立ち上がろうとしている風間さんがいる。クラクションはまだ鳴り続けている。

 よかった。とにかく助かった。

「靴、わたしの靴!」

 風間さんは叫んだ。

 起き上がりながら、更に中央よりの車線に脱げて転がった靴へ、体を向ける。

 車が次々に〈靴の上空〉を通過していた。ヘッドライトを受けた靴が、そのたびに見え隠れする。

 やがて靴の車線に車はいなくなり、風間さんに針路をブロックされていた車たちは、大きくそちらへ針路を避けながら、不機嫌そうにアクセルを噴かして、次々に通過していった。

 数台がほどなく通過し終わる。

コメント0

「第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手