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人生の1割だけ、超マジでやりぬく!

「9対1の法則」が若手社員を動かす

2009年12月24日(木)

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 すごいことになっている。「ゆとり世代」に合わせて、新人教育のやり方まで変えている企業があるという。

 前々回のコラム「会社はヒマつぶし?」で、「企業は『いい人材を!』と言っていながら、自分たちにもない能力を新卒社会人に求めているのではないだろうか」との私的見解を述べたばかりだが、その番組を見ていて、企業の求める「いい人材」の意味がますますわからなくなってしまった。

 先週の金曜日にNHKで放送された『“ゆとり”と言われる若者たち』(番組HPはこちらから)という番組である。

 「ゆとり世代」は、1987年4月2日生まれ以降で「ゆとり教育(=2003年度学習指導要綱による高校教育)」を受けた世代を「ゆとり第一世代」と位置づける場合と、1984年度生まれで土曜日の休みを経験している世代を指すことがあるようだが、この番組では後者を取り上げているようだった。

 番組ではある大手企業を取り上げ、その企業内の取り組みを報じていた。新人教育の期間を大きく伸ばし、30代半ばの中堅社員を指導係にし、「褒めて育てる」から、「叱って育てる」という、ゆとり世代に合わせた新人教育を徹底しているという。

 ゆとり世代は、叱られることに慣れていないとみられている。そこで、「叱る」→「叱る理由を説明する」を一連の教育方針として、社会人としてのマナーを覚えさせる。ちょっと先輩社員に叱られただけで、「自分は否定された」と自尊心を低下させ、会社を辞めてしまう新人も多いので、それを防ぐのが目的だそうだ。叱られる経験を積んで免疫をつけさせる、ということなのだろう。

 名刺の渡し方や電話の応対の仕方まで細かく指導し、そして「叱る理由」を事細かに説明している風景が放映されていた。新人に求められているのは、仕事の内容や提出書類の内容ではなく、「決められた期限内に提出する」ということのみ。まるで“学校”である。

 そして、指導する側のレベルも上げるために、「キミのおかげで助かったよ」というような一言を付け加えると教育効果が高まる、といった教育のノウハウを教えている様子も合わせて報じられていた。

新人教育をする側も受ける側も大変

 非常に大変そうである。教育される側も教育する側も、ひどく大変そうだ。期間中、行動をチェックしチェックされ、叱り叱られ、その都度、理由を話し理由を聞かされる。親にだって、そこまで見張られたことはない。私だったら多分、その時点でイヤになり、出社拒否をしてしまう。1週間でうんざりする。耐えられない。

 と、色々と思うところはあるのだが、実際に私が取材したものではないし、テレビで放映されている場合にはディレクターやプロデューサーなど制作陣の狙いによって取材内容が選択されていることがあるので、この研修そのものについて意見するのはやめておく。

 ただ、教育カリキュラムや教育期間を変えなくてはならないほど、働きざかりの中堅どころを新人教育だけに集中させないといけないほど、若手に手をやいている実情がある、ということはよくわかった。そして、それに前向きに取り組んでいる健全な会社がある、ということも制作者の意図に関係なくよくわかった。

 それに、入社直後に行われる研修は“組織の一員”になるための重要な儀式であるため、新人教育に力を入れるのは悪いことではない。

 新人の研修プログラムは、オリエンテーションと呼ばれることがあるが、「オリエント(Orient)」とは「東方」。反対語は「オクシデント(Occident)」で「西方」だが、もともとはラテン語の「太陽が落ちる所」。

 つまり、オリエンテーションとは、昇ってきた太陽(=新入社員)が、「周りの状況や立場を正しく把握し、正しい方向に向かう」ためのもの。正しい方向とは、企業が求める働き方であり人材である。すなわち、ただ単にスキルやマナーを教えるだけの新人研修プログラムが、本来のオリエンテーションの目的を果たすことはない。

コメント14件コメント/レビュー

ビジネスマン歴25年を超えてしまうベテランです。部下を指導しつつ上司からは指導もされる立場です。「対象に意味を見いだせないから動かない」その通りだと常々思ってます。では意味を見いだしてもらうには?相手が自分の考えに共感を持つほど繰り返し説明し、理解して貰うことが一番重要だと考えます。自分の状況で例えると、最近上司からの雑多なオーダーも自分の優先順位で後回しにすることも多く、口論もしばしば。意味を見いだしていないからです。アウトプットではなくやり方まで指導したがるため。一方自分から部下にオーダーした案件は、納期以前に出してくれる部下も居れば納期後、放ったらかす部下もいます。これは自分の説明の仕方が十分でなかったかも、と言う反省と同時に部下の資質に?もつけ、双方向の対策を講じています。嫌な上司でも反面教師にはなると、前向きに仕事をする自分がちょっと健気です。(2009/12/25)

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「人生の1割だけ、超マジでやりぬく!」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビジネスマン歴25年を超えてしまうベテランです。部下を指導しつつ上司からは指導もされる立場です。「対象に意味を見いだせないから動かない」その通りだと常々思ってます。では意味を見いだしてもらうには?相手が自分の考えに共感を持つほど繰り返し説明し、理解して貰うことが一番重要だと考えます。自分の状況で例えると、最近上司からの雑多なオーダーも自分の優先順位で後回しにすることも多く、口論もしばしば。意味を見いだしていないからです。アウトプットではなくやり方まで指導したがるため。一方自分から部下にオーダーした案件は、納期以前に出してくれる部下も居れば納期後、放ったらかす部下もいます。これは自分の説明の仕方が十分でなかったかも、と言う反省と同時に部下の資質に?もつけ、双方向の対策を講じています。嫌な上司でも反面教師にはなると、前向きに仕事をする自分がちょっと健気です。(2009/12/25)

タイトルの付け方が上手ですね。まじめな話なのにざっくばらんな感じにして引き込ませる。次回も期待してます。(2009/12/25)

バブル世代が、部下の教育が下手なんて当たり前でしょう。バブル崩壊直前に就職した身としては、教育の練習台になる後輩も(採用抑制の為)入ってこなければ、面倒見の良さといった数値に表れないノウハウを持った人はクビを切られるか自主的に会社を去り見本も居なくなった訳ですから。今頃新人教育の大切さに気付いても遅いのです。昔の新人教育はそれこそ箸の上げ下げに近いところからやってましたよ。いつの間にか企業はそれをサボっていっただけ。 自分が生き残る最低限の知識と経験は積んだので、それを利用して細々と生きていくだけです、仕事は一生懸命やりますが。若年層がうまくやっていく方法を教えるだけの器量は残念ながら持っていません。(2009/12/25)

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