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「型」なき企業が生きにくい時代

  • 常盤 文克

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2009年12月28日(月)

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 最近、企業の個性、それぞれの企業の「らしさ」が薄れてきたように感じます。1社が何かを始めると、他社も同じようなことをして追随してきます。例えば、「安売り」がそうでしょう。特に食に関わる分野での値下げが顕著です。

 ある牛丼チェーンが値下げを打ち出すと、それに他社がすぐついてきます。スーパーの店頭では280円の弁当が目立ちますが、最近は200円に迫るものまで登場しているそうです。まさに安売りが安売りを呼ぶ状況に陥っています。はたして、こんなことを続けていて生き残れるのでしょうか。

 他社が値下げをすればそれに追随し、ヒット商品が出れば似たようなものを売り出す。そんな様子を見ていると、企業の個性、企業の主張はどこへ行ってしまったのかと疑問が湧いてきます。個性とは人間のみならず、企業にとっても大変重要なものです。それぞれ異なる個性があってこそ、そこに企業の存在意義があります。企業は、その個性をもとに創出した製品やサービスを競い合って生きているのです。

米国の真似が日本を弱体化させた?

 それでは、なぜ個性が薄れてきたのでしょうか。その理由の1つは、日本の企業が米国流の経営手法に傾きすぎたことにあると思います。この傾向は、かつて日本が米国に追いつけ追い越せと言っていた頃から、ずっと変わっていません。日本企業の経営には、常に「米国の」とか「米国では」などの枕詞がついてきました。日本企業にとって、米国はいつも「先生」であり「お手本」だったのです。これは、日本のビジネススクールの教科を見ても明らかです。

 日常、我々が使っている経営用語に横文字が多いのも、その表れです。他社を徹底的に調べて指標にすることを「ベンチマーク」と言い、他社の成功事例を「ベストプラクティス」と呼んだりもします。経営流儀を「~ウェイ」と呼ぶのもそうです。これは米ゼネラル・エレクトリックの「GEウェイ」や、米ヒューレット・パッカードの「HPウェイ」などの影響でしょう。

 成功している企業に学ぶ、と言えば聞こえはいいですが、結局は他社の真似をしているにすぎません。こうして、どの企業も同じような方向に進んでいき、個性が薄まってしまうのです。もちろん、すべての企業がそうだというのではありません。個性のある経営で立派な業績を上げている企業もたくさんあります。一般に、伸びている企業の経営には独自性があり、個性豊かです。

 さて、企業の個性とはどこからくるのでしょうか。それは、時間をかけて育まれた「型」にあります。ここで言う型とは、「企業が持つ行動や思考の本質が凝縮されたもの」という意味です。例えば、武道や芸道の規範となる「~道」のようなものです。企業なら、社風や伝統、流儀、すなわち企業文化と言えば分かりやすいかもしれません。

「型」と「形」

 その型は一朝一夕にできるものではなく、その企業の先人たちが日々の活動を通じて生み出した「知」と「経験」の積み重ねの中で育まれてくるものです。つまり、型には、その企業の命が宿っているのです。この型は普遍性を備えており、型に沿って思考・行動すれば、新入社員でも一定水準の知識やスキルを習得することができます。

 一人ひとりの社員は、この型によって育てられ、成長し、今度はそこから一人ひとりの「形」が生まれてきます。形とは、型が個々人に具象化されたものです。まず最初に型があり、その型で個人が育って個々の形となり、最終的には“仕事”として表現されるのです。

 実際に会社によって、その集団に属する人たちの思考・行動の様式や、集団全体が醸し出す雰囲気は異なります。例えば同じビール会社でも、K社とA社、S社とでは、何となく社員の振る舞いも考え方も、仕事の仕方も異なって見えます。それぞれの会社に型があり、その型の上に個人の形が出来上がっているからです。こうして、その会社らしい所作を体得しながら、また新しい型を創出し、そこから新しい形が生まれてきます。そんな型と形の連鎖のメカニズムがあるのです。

 型がある会社には共通項があります。

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