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数値評価は本当に公平か?

基本や教育・・・地道な行動に光を当てよう

  • 大久保 恒夫

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2010年1月12日(火)

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 人の評価は重要だが難しい。公平に評価したいが、なかなか簡単には行かない。小売業の営業は数値で結果が出しやすいので、一般的には数値で評価されることが多い。「数値での評価が公平だ」と言われているのだが、本当にそうなのか、疑問にも感じることもある。

 実際に経営し、数値で評価してみると、数値での問題点も多いと感じる。では、数値以外の評価で公平な評価ができるかというと、これも難しい問題である。頑張った人が報われる評価、モチベーションが上がる評価、業績アップにつながる評価をしたいが、なかなか簡単にはできない。数値での評価を減らす方向で、いろいろ試行錯誤しながら評価方法の改革に取り組んでいる。

 小売業では売り上げは重要な評価指標だとされている。店舗別、部門別に売り上げの数値は正確に把握することができる。既存店での売り上げ前年比は分かりやすい評価指標である。競合相手が出店したり、いろいろな環境変化が影響したりもするので、前年比では不公平も発生するから、売り上げ予算を作成し、予算比で評価することが多い。

 売り上げだけで評価すると、利益を度外視して安売りに走りがちなので、粗利益で評価されることも多くなってきた。利益を上げにくい状況になってきたので、粗利率や粗利額の予算比や前年比で評価する重要度が高まってきている。粗利益だけで評価をしても、経費を無駄に使ってしまっては本当の利益拡大につながらないこともあるので、粗利益から経費を差し引いた営業利益での評価を重視することも多くなってきた。

 しかし、この場合は部門別の営業利益の計算の方法や共通の間接部門である本部費の配分の方法をどうするかの管理会計上の問題点もあり、営業利益での評価をしていない企業も多い。これ以外に、在庫の問題も重要な課題なので、在庫の効率を評価することもよく行われる。

基本の徹底は数字化しづらい

 数値での評価は分かりやすいし、公平だと見られがちであるが、多くの問題点もある。予算比で評価されることが一般的であるが、予算が妥当で公平かという問題がある。

 売り上げ予算で考えてみよう。店舗別の売り上げはいろいろな状況で変動する。開店から新しい店舗は売り上げが伸びることが多いが、古い店舗は売り上げは低下する傾向にある。大きい店舗や小さい店舗などの店舗規模とか、駅前や郊外といった立地によっても売り上げの動向は変化する。競合店が周辺に出店すれば売り上げは下がることが多いし、逆に競合店が閉店すれば売り上げは容易に増えたりする。これらの環境を妥当に評価して公平な売り上げ予算を作成するのは至難の業である。公平でない予算に対する予算比で評価するのは公平でないことになる。

 粗利益も同様である。粗利率で評価すると、売り上げを伸ばさずに粗利率を高める手を打ち、粗利額が上がらなくなったりする。粗利額の予算は売り上げ予算と同様の問題点を抱えている。営業利益も無理やり営業利益を上げようとすると、目先の経費削減に走り、必要な経費まで削減し、売り場がぼろぼろになったり、お客様に不便をかけたりして、長期的には売り上げが低下して営業利益が低下していく結果につながる。

 在庫は中身が重要である。売れ筋商品の在庫は十分に持ってほしいが、死に筋商品の在庫は極限まで減らしてほしい。在庫を減らそうとすると、売り筋商品の発注を減らすのが簡単なので、売れ筋商品が少ない売り場になっていくことが多い。売れ筋商品が少ない在庫の売り場は次第に売り上げが減少していく。正しい在庫内容ではないのに、在庫が少なくて在庫回転がいいという数値が出れば高く評価されるという矛盾を抱えてしまう。

 定量的なデータに出ない、定性的な問題は数値では評価できない。挨拶やクリンリネスといった基本の徹底は、小売業にとって重要な課題であるが、重要なのに数値には出せないから評価しないというのはおかしい。数値で出しやすいから評価して、数値に出しにくいから評価しないというのは本末転倒であろう。

 経営をしていくうえで、経営者は経営方針を明確にすべきである。全社トータルの経営方針を各部の具体的な行動計画にブレークダウンして経営を実行していく。その具体的な行動計画を実行していることを評価しないと、経営ができなくなる。

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