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資源採掘にはびこる“不平等契約”

生物多様性も危機にさらされる

  • 谷口 正次

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2010年1月6日(水)

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 2009年夏、ヒラリー・クリントン米国務長官がアフリカのコンゴ民主共和国を訪れた。

 首脳陣との会談の席上で、コンゴ人女性に対する性的虐待に対して非難するとともに、政府高官の腐敗についても強く批判し、政府に透明性を高め、説明責任を果たすように迫った。

 会談後の記者会見で、コンゴ人のジャーナリストが、クリントン長官に対して、腐敗問題に関して突っ込んだ質問をしたところ、不思議なことにコンゴ政府に対する一方的な批判以外に何もなく、過去10年間に渡るコンゴの“資源戦争”とも呼ばれる内戦の資金の提供者となった西側先進国の鉱山会社とメタルブローカーに対する釈明、謝罪の発言は一切なかったということだ。

 腐敗は、贈賄と収賄があって成り立つもので、収賄側のみを非難するのはおかしいではないかというわけだ。

 そして、クリントン長官は、「アフリカの未来はアフリカ人にかかっている。コンゴの人々の未来は、結局、コンゴ人たちにかかっている」とジャーナリストの人たちに語った。

 そのジャーナリストは言う。「確かに、いつの日かその通りになる日が来るかもしれない。しかし、疑いなくここ数10年間、コンゴでは西側先進国の鉱山会社とメタルブローカーが”資源戦争“に関わってきたことは事実である。国連による『コンゴにおける天然資源の違法採掘』と題する調査によると、彼らの多くはカナダ人であることが判明している」。

10年で5億米ドル損失のタンザニア

 コンゴの隣国タンザニアでは、政府高官が西側大手鉱山会社と締結した金の採掘に関する契約内容があまりに一方的で、会社側に有利なものであったため、タンザニアの財政的な損失は毎年5000万米ドルに上ると報告されている。契約は10年前に結ばれたので合計5億米ドルの損失という。

 適正な契約がなされ、この金額が歳入となれば、ひ弱なタンザニアの経済に大きな影響を及ぼしうるものである。この数字は、2009年5月24日に行われた選挙キャンペーン中に、野党のチャデマ(CHADEMA=Chama cha Demokrasia na Masendeleo)によって民間のテレビ局を通して指摘されたものである。

 この指摘の裏づけになっているのは、2008年に宗教3団体(TEC[ Tanzania Episcopal Conference]、BAKWATA[the National Muslim Council]、CCT[Christian council of Tanzania])によって依頼されて独立の調査機関によって作成されたタンザニアの金鉱山に関する調査「Golden Opportunity」の報告書である。

 それによると、タンザニアの金鉱山による損失は、鉱業権料率が低いこと、法人税未払い、そして税逃れにより生ずるもので、総額は控えめに見積もっても少なくとも過去7年間に4億米ドルに上るという。

 このような金額が歳入に加われば、タンザニアの貧困と闘うのに大きな力となるのに、タンザニアでは腐敗と疑わしい採掘契約の結果として、ずさんな採掘作業によって深刻な環境破壊を引き起こし、地域住民の生活を脅かしていると報告書に書かれている。

 このタンザニアの金鉱山のケースもカナダの大手鉱山会社である。

 不平等な採掘契約の例はアフリカに限らず、ほかの発展途上国にも多い。

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