人物紹介
菊地 眞弓:レースクイーンやミスコン荒らしなど「バブルでGO」を満喫した20代を経て、今や贅沢に飽きてほとんどモノを買わなくなったアラフォー女子
WITH三波 毒夫:流通の現場に出向き、同業者や取引先と情報交換するのが3度のメシよりも好きと言う謎の中年男。「WITH」は、「お客様とともに」を意味する
たまたま出会った2人が「世の中に、気づき・幸せ・役立ちを与える」で意気投合。今日も流通の最前線を歩きます。
WITH三波 毒夫(以下、三波) 最近、行列に参加した?
菊地 眞弓(以下、菊地) 空港の出入国手続きぐらいかな。仕方なく、といった感じで。
三波 近頃の僕の行列体験は・・・。
1. アパレル専門店のH&M 「流通で話題だったので」
2. 総合スーパーマーケットのユニー 「ベイブレードの新商品限定発売」
3. 小学校運動会 「いい場所で見たい!」
4. つけ麺の六厘舎 「あまりの列にギブアップ」
5. 回転寿司チェーンのかっぱ寿司 「100円で安いから並ぼう!」
好きでもないのに、つい並んでしまう
菊地 いろいろな行列に参加していますね・・・。
三波 並ぶのは大して好きではないのに、結構並んでいる自分にビックリ!
菊地 そんな三波さんに私もビックリ・・・(汗)。
三波 そうだよね~(笑)。「かっぱ寿司」は常連。安いから我慢しても並ぶね。「行列のできる法律相談所」なんてテレビ番組も、毎週日曜日に見ているしね。
菊地 ・・・。
三波 そうそう、2009年は不景気にもかかわらず、多くの行列を観察したね。人が群れているとついつい群れに入ってしまう人を多く目撃したよ。
菊地 え、どういうことですか?
三波 「この行列は何ですか?」と聞いた通行人が、最前列の様子を見て、戻ってきて、行列に参加する、とかね。
菊地 日本人は行列に弱いのかしら・・・(汗)。「行列を見ると並んでみたい」「その先に何があるのか知りたい」的な。
三波 そしてその多くを銀座で目撃かな。
菊地 そう言えばダイヤモンド配布で数キロメートルの列を作って話題になった「モーブッサン」も銀座にある店舗ですね。その後、あのお店はどうなったのかしら?
三波 気になるところだね。行列のその後を追ってみよう。現在の状況も知りたいしね。
WITH三波 毒夫の「業界ヒアリング裏情報」
~行列の仕組み~
日本の小売業界では、「多様化」「区別化」が必要とされながらも、「同質趣向」という難しい局面にある。日本人というのは基本的に「同じモノを持ちたい」「みんなが食べているものを食べたい」という消費性向がほかの国に比べ強いようだ。「行列を作る」とか、皆が「同質化したモノを持つ」という行動は世界的にも珍しい。
例えば、日本のバブル期は「ルイ・ヴィトンの財布」を中心とするブランド購買天国だった。各都市のデパートや海外での買い物を観察すると、お会計時に手にしている財布の多くがルイ・ヴィトンだった。言い方を換えると、ルイ・ヴィトンでさえあれば、消費者は満足していたというわけだ。しかし今は「店舗限定」「地域限定」「コラボ限定」「期間限定」といった付加価値のある「ルイ・ヴィトンの財布」でないと、消費者は満足しないし、実際に売れない。
それは定価販売の前提があるコンビニエンスストアでも同じ。NB(ナショナル・ブランド)の商品より、コンビニとメーカーが共同開発したダブルチョップ商品「NPB(ナショナル・プライベート・ブランド)でしかも限定」の商品が売り上げを伸ばす。
本筋ではない部分ですが「リップクリーム」に深く考えされされました。限定!と称して売っている物より、横の地味な定番品のほうが良いのではないかという気は薄々していましたが、そんなカラクリがあったとは・・・。しかしそれでも限定の文字には魔力があります。 それから、老舗の餃子屋の店主から「1気圧に~」なんて言葉が出てくることに驚きです。元祖や老舗を売りにしている料理店は、グルメ番組を見ていても味を守ることだけを重視している所が多いように思う中、近代的な考え方に感心させられました。機会があればぜひ寄ってみたいです。(2010/01/08)