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資源枯渇対策はCSRではなくCSQにあり

環境経営度を貨幣価値で評価する

  • 谷口 正次

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2010年1月28日(木)

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 近年、ビジネスの世界で企業の社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility )とサステナビリティ(持続可能性)という言葉が盛んに使われるようになった。

 大企業はこぞってCSR推進部(室)を設置し、美しいCSRレポートを毎年作成して発表している。そして、サステナビリティを謳った“我が社のCSR”をしきりにアピールしている。しかし、各社のCSRレポートを見る限り、コスメティック(見せかけ)と言わざるを得ないものが多い。各企業の社会的責任とは何かについては、今ひとつ捉えどころがないのが実情ではなかろうか。

 しかし企業にとって、CSRは欠かせないばかりか、CSRこそ環境経営度と企業価値を表す指標のように言われている。

 サステナビリティという言葉は、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開かれた国連地球サミットにおいて中心的な考え方として打ち出されたもので、いまや世界共通の合言葉のように使われている。

 その基本理念である、「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような発展」は、今日の地球環境問題に関する世界的な取り組みに大きな影響を与えているわけだ。

 しかし、現実は資源争奪戦、自然環境破壊、人権・労働・腐敗問題、食糧問題、水問題、貧困問題、都市問題、宗教的対立、地域紛争など、枚挙に暇がないほどの人類社会の諸問題、特に南北問題が一向に改善されないばかりか、悪化の一途をたどっている。

“不都合な真実”はすべて外部不経済

 16世紀以降のヨーロッパ勢力と続く19世紀以降の欧米列強による資源収奪と植民地支配が進み、20世紀初頭にはいわゆる「第三世界」はアメリカが支配する世界経済に組み込まれていった。その結果、欧米諸国の発展のために貢献してきた発展途上国と呼ばれる「第三世界」に共通した多くの問題を招いたわけだ。

 具体的には、先進国向け農産物の生産と供給のための農業用地拡大による土壌の劣化、環境破壊による生態系破壊と生物多様性の消滅。先進国多国籍企業による鉱山支配と資源収奪。先住民族の文化と伝統の破壊そして貧困の助長である。アフリカでは、資源が豊富な国ほど貧困が激しいことを、“アフリカの呪い”あるいは“資源のパラドックス”と言われる所以である。

 このような南北問題について、スペインの環境経済学者、ホワン・マルチネス=アリエ教授は次のように言っている。

 「先進諸国は発展途上国に対して、大きな環境負債(environmental dept)を負っているにも拘わらず、一向に返済しようとしないのは、環境正義に反する」

 経済学と言われる学問にはいろいろある。新古典派経済学、ケインズ経済学、厚生経済学、マルクス経済学そして自由主義経済学といった辺りが主なところである。これらの経済学には、みな重大な欠陥がある。それは、地球上の資源と環境は有限であるという至極当然なことをこれまで無視してきたことである。しかもいまだに無視し続けているのである。これは驚くべきことだ。

 21世紀に生きる我々は、地球の限界に直面した最初の人類世代である。その有限性を無視した学問がいまだに大手を振って一国の経済運営に幅を利かせているわけだ。そして相変わらず世界の経済は、成長マニアの指導者の手中にあることは人類にとっての不幸である。

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