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第3回 仕事の「やりがい」と「生きがい」は別?

日本で一番大切にしたい会社に見る“働く”の原点

  • 武田 斉紀

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2010年2月1日(月)

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「大人はなぜ働くの?」の答えは人それぞれ

 前回コラムにもたくさんのご意見をちょうだいした。本気、本音で書かれたご意見ばかりで、ありがたく一つひとつ読ませていただいた。

 今回は、中でも2つのことに触れたいと思う。1つは第1回のテーマ「子どもに『大人はなぜ働くの?』と聞かれたら」の答えだ。

 いただいたコメントは大きく2つに分かれていた。働くのは「生活のため、生きるためだよ」、それ以外にないというものと、「生活のため生きるためだけれど、働くことで人はやりがいや生きがいだって感じられるんだよ」というものだ。

 この2つ以外の答えだってあるだろう。そもそも、私が学生向けのテキストで書いた「大人は社会人として働く義務がある」も忘れてはいけない。伝え忘れると「あんたには関係ないだろ」と、働けるのに働かない若者が増えていく。

 「生活のため、生きるためだよ」、それ以外にないと信じる人からの代表的なコメントを紹介する。

「私の親の世代の人たちは全く仕事のやりがいについて語ることはありませんでした。かといって仕事が嫌いだったわけではありません。彼らは一様に「やるべきことをやる」と言っていました。私も40歳代になり、ようやくこの心境を理解することが出来ました」

 「やるべきこと」には、先程の「社会人として働く義務」という意味合いも込められているだろう。しかし生活のため、生きるためが一定以上満たされた時にはどうするのだろうか。(1)もっと収入を上げて豊かな生活を求め続ける (2)それ以上働くことは止めて、趣味やレジャーを楽しむ、という選択肢が浮かんだ。

 筆者は(2)の生活にも憧れるが、実際やってみると数カ月もすれば飽きてしまうのではないかと心配もする。杞憂だろうか。

 TVゲーム三昧の毎日も、やがてはそれだけでは飽きてしまい、他のユーザーに向けて攻略本を書きたくなったり、新たなゲームのアイデアをメーカーに提案したくならないだろうか。世界中を旅行したら、その感動を書いたり、写真にして出版したくならないだろうか。それらはすでに仕事になっている。

単純作業を楽しむことも、明日につながる

 いただいたコメントの中には、「生活のため、生きるためだよ」と答えながらも、本当はやりがいを感じたいが現状が許さないのだという叫びもあった。

「金銭的なことで窮しているとき、やりがいについて語るのは無理です。長らく派遣をしており、その月のやりくりが大変で、不安で、仕事は、流れてくる商品に値札を貼るだけ…というキカイみたいな内容でした。半日立ちっぱなしに耐えられることだけ考えていました」

 想像しただけで辛い。毎日だと暗澹(あんたん)たる思いになるだろう。生活のため、生きるために過ごす毎日。この方の希望は何だろうか。でもだからこそ、どこかに喜びの工夫を見つけることから始めてほしい。隣の人と協力する、あるいは競い合う、工夫を共有する。隣がいなければ自分で目標を作ってみる。何でもいいと思う。

 不謹慎かもしれないが、芸人が何でも一番を競い合うフジテレビの深夜番組『オレワン』を思い出した。芸人が身体を張って、笑ってしまうような記録にチャレンジする。負けた時の悔しそうな姿、そして本気でリベンジに燃えている人もいる。ささいなことでも気持ち次第で面白くなることに気づかされる。

 「シールをきれいに貼るスピードなら任せて」、それがすぐに何かに生かせるとは言わないが、“正確さ”と“スピード”はどの仕事にも求められる要素だ。作業を楽しめれば少しは気持ちも楽になるし、工夫した努力は決して無駄にはならない。単純な毎日に小さなやりがいが生まれる。

「どんな仕事にもやりがいはあると私も思います。ティッシュ配りでもお弁当のおかずを詰める作業でも、楽しく仕事をする方法はある」

「労働の種類に限らず、額に汗する、考え抜きながら仕事をすることは、なかなか楽しいものです。人生は一度きり、仕事も趣味でも、何でも楽しむことで有意義な人生を送れると信じています」

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