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第18話「違います。あの会社の購買部長が仕向けたんです」

2010年2月3日(水)

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これまでのあらすじ

 日野原工業を買い取った団達也は、初めての株主総会を開いた。

 達也は、細谷真理、金子順平を取締役に、西郷幸太を監査役に指名した。また、父、日野原五郎のもとで営業部長として長年働いてきた息子の太郎を引き続き専務取締役兼営業部長とした。

 太郎は、達也らの前で部品倉庫に積まれていた在庫は、田原部品の商品ではなく、日野原工業が作った製品だと告白した。

 父の五郎は経理部長の間宮清二と相談して、作りすぎた製品を日豊自動車に売り上げたことにして、田原部品に直送。中身を田原部品の段ボール箱に詰め替え、商品として仕入れたように見せかけていたのだ。

 そのことを知っていた息子の太郎は、「商品在庫は2億円。この取引による架空利益は5000万円だと聞いてます」と言った。

日野原工業社長室

 「日野原さんちょっと待ってください」

 真理は青ざめた顔で言った。日野原工業の貸借対照表は二種類の粉飾がなされていたのだ。

 そのひとつは費用を仮払金にすることで利益を10億円水増しするとともに、製造原価を一般管理費に振り替えて粗利益を大きく見せかける手口だった。日野原五郎はこれらの粉飾を告白することで達也と西郷の信頼を得ようとした。

 だが、太郎の説明は、他にも巧妙な罠が巧妙に仕掛けられていたということだ。

 「先ほど日野原さんは、商品在庫は2億円で架空利益は5000万円だ、っておっしゃっていましたよね。ということは、原価1億5000万円の製品を日豊自動車へ2億円で売ったことにして、それを田原部品から2億円で仕入れたってことですね」

 と西郷が聞くと太郎は「そう記憶しています」と答えた。

 「この話はどなたから聞いたのですか?」
 達也が聞いた。

 「間宮です。私は会計のことは分かりませんし、決算の打ち合わせは父と間宮と会計士の今川先生の3人だけでするのが恒例でしたから。でも、昨年の末に、間宮が突然私のところにやってきて『決算操作をした』と聞かされたんです」

 「そうでしたか」と言って達也は考え込んだ。この偽装取引が会社の利益をどれだけ水増ししているのか、すぐには計算できない。

 「混乱してきたな。西郷さん、実際の利益はいくら減るんですか? まさか2億円じゃあないでしょうね」
 「いいえ。5000万円です。原価1億5000万円の製品を2億円に評価替えしたのと同じですからね。差額の5000万円が利益の水増し分です」

「「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第18話「違います。あの会社の購買部長が仕向けたんです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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