「統計学者吉田耕作教授の統計学的思考術」

統計学的「片手の法則」でサービス業の生産性をもっと上げよう

度数順位表とパレート図で業務改善に一歩踏み出す

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2010年2月9日(火)

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 前回は、自分達の職場にある様々な問題を、データを集め、記録を取ることによって、顕在化する事をお勧めした。現状がどうなっているのかを認識して初めて、改善する事ができ、その結果、ボーナス年3回も可能になるのである。

 今回はさらに、二、三の表やグラフを用いて、それらが業務改善に実際に簡単に使えることを例示したい。

度数分布表とヒストグラム

例1
 得られたデータを整理する時、よく使われる表に表1のような度数分布表がある。

 度数分布表というのは、データが一定の尺度によって測られた時に、そのデータを集計するための表である。例えば、ある学校の6年生の学童の背の高さを図った記録とか、ある地域の住民の所得の分布だとかを、集計する時に用いられる。統計で用いられる多くの分布の元は、表1のような度数分布表からできている。

 表1は、ある工場で仕入れ先から仕入れている部品の軸の長さの分布である。この表があると、平均が大体どのくらいかとか、最大値や最小値がわかる。それにバラツキ具合がどの程度かという事もつかめる。

 さらに、表2は仕入れた部品を2つの仕入先別に集計した度数分布表である。この度数分布表をグラフにしたのが、図1のようなヒストグラムである。

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 図1の中の上部規格限界とか下部規格限界というのは、エンジニアがこの範囲に入る物が合格品だと決めた境界線である。図1において、仕入先別に集計したヒストグラムを見ると、不良品(青色の部分)はみなA社からきているという事がわかる。生産レベルがあまり高くない時には、A社からの製品の仕入れはストップして、B社の製品だけを仕入れれば良い事がわかる。このように簡単なデータを取る事によって、非常に重要な判断をする事ができる。

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著者プロフィール

吉田 耕作(よしだ・こうさく)

カリフォルニア州立大学名誉教授、ジョイ・オブ・ワーク推進協会理事長。経営学博士。1938年東京生まれ。1962年早稲田大学商学部卒業。68年モンタナ大学で修士号(ファイナンス)を取得。75年ニューヨーク大学でデミング博士、モルゲンシュタイン博士に学び、博士号(統計学)を取得。75年からカリフォルニア州立大学で教鞭をとる。99年青山学院大学国際政治経済学部教授。2001年から2007年まで同大学院国際マネジメント研究科教授。86年から93年まで、デミング4日間セミナー「質と生産性と競争力」でデミング博士の助手を務めた。統計的な考え方をベースとして、米国連邦政府、ヒューズ航空機、メキシコ石油公社、NTTコムウエア、NTTデータ、NECなどを指導。著書に『国際競争力の再生』『経営のための直感的統計学』、『直感的統計学』、『ジョイ・オブ・ワーク――組織再生のマネジメント』、『統計的思考による経営 』など



このコラムについて

統計学者吉田耕作教授の統計学的思考術

「統計学」と聞くと、難しい数式とグラフを思い浮かべ、抵抗感を持っている人が多いでしょう。とくに文科系の人であればその思いは強いはず。でも、一度、統計学の視点で世の中を見渡してみると、物事は大きく違って見えてきます。数学が苦手だった人でも吉田教授の“講義”なら大丈夫。難しいことはありません。経営とビジネス、そして人生に役立つ統計学です。

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