• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“女”じゃ、ナゼいけないのですか?

“差別”を引き起こす「数の論理」

2010年2月4日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 この先、“男社会”の終焉はやってくるのだろうか。

 きっとない。おそらくない。多分ない…。そして、「仕方がない」と、あきらめなくちゃいけないのか…。

 そんな気持ちにならざるを得ない出来事が立て続けにあった。

 希望退職という名の“クビ切り”が、男たちをますます群れさせ、女たちをますます孤立させた。

 知り合いの3人もの女性が上司から突然呼ばれ、「辞めてもらうと助かるんだけど…」と、屈辱の一言を浴びせられた、という。

 いずれの女性も、そんなことを言われてそそくさと「そうします」と従うほど“ヤワ”じゃない。それなりの覚悟をし、苦労を経験しながら、男社会を生き抜いてきた女たちだ。当然ながら断った。

 だがそれで彼女たちの上司も、「そうですか」とすぐに引き下がるわけにもいかなかったらしい。

 結果、それぞれの会社で、それぞれの“報復人事”が行われたのである。

A子・・・ 電気メーカーの技術職だった彼女は、総務に転属を命じられた
B子・・・ 商社に勤めていた彼女は、関連会社に転籍となった
C子・・・ 広告代理店に勤めていた彼女は、××戦略室という、名ばかりの窓際に追いやられた

「そろそろいいでしょ? 海外勤務もしたし、結婚もしたし・・・」

 彼女たちの証言によると、彼女たち以外にも同年代の女性たちが同じ“被害”にあったそうだ。「そんなに辞めてほしけりゃ、辞めてやる」と退職の条件をつり上げ、辞めていった同僚もいたという。

 彼女たちの名誉のためにも断っておくが、今回の出来事は、彼女たちがもともと肩たたきされても仕方ない人たちで、たまたま“女性”だった、というわけでは決してない。

 いずれの女性も私がこれまで一緒に仕事をしたり、取材をしたことがある人物で、男性だからとか、女性だからとか、全く感じさせない仕事ぶりだった。当然ながら、私は彼女たちの上司ではないし、彼女たちと同じ職場で働いているわけではないから「100%違う」とまでは断言できない。だが少なくとも彼女たちの働きぶりを見る限り、たまたま“女性”とは考えにくい。

 商社に勤めていたB子は、女性初の海外勤務を命じられたというキャリアの持ち主で、数年前に会社からの推薦を受けて私が取材した女性でもある。

 当時、彼女の上司だった男性は、「うちの会社は女性でも能力を発揮できるようになっています。ほら、彼女などは、女性として初めて海外支店に異動になり、経験を重ねてきました。うちの会社では、“だから女は…”なんていう社員は一人もいません」と散々彼女を持ち上げていた。

 彼女は帰国後、女性初の役員か、と期待されていたほどだった。

 「所詮、会社は男が群れをなす絶好の場所。散々私を持ち上げていた上司が、“そろそろいいでしょ? 海外勤務もしたし、結婚もしたし、退職金だって増やすって言ってるんだから。どう?”だってさ。ふざけてる…」。彼女は悔しそうに言っていた。

 なんという変わり身の速さなんだ。たわけ過ぎる。“女を会社の宣伝だけに使う会社”という名目で、是非とも取材をさせていただきたいくらいだ。

 窓際に追いやられたC子の話からは、男たちの“群れ”具合が、あまりにわかりやすく、聞いていて、つい笑ってしまったほどである。ちなみに彼女は自ら立てた企画が昨年大ヒットし、社長賞までとった女性である。

コメント117

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

一覧

「“女”じゃ、ナゼいけないのですか?」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員